2.ジアゼパム「アメル」の持続時間と効き方
ジアゼパム「アメル」は最高血中濃度到達時間が1時間、半減期が43時間の長時間型抗不安薬です。
効果の持続時間は4~12時間ほどです。
抗不安効果は中程度で、筋弛緩作用・催眠作用・抗けいれん作用が強いです。
ジアゼパム「アメル」の血中濃度の変化は2段階になっています。
まずはどのような血中濃度の変化をするのか、グラフでみてみましょう。
セルシン/ホリゾンの血中濃度変化から本当の半減期を考えてみましょう。
このような変化をするのには、ジアゼパム「アメル」の脂への溶けやすさが関係しています。
ジアゼパム「アメル」を服用すると、かなりのお薬が身体の脂肪に取り込まれてしまいます。
脂肪に取り込まれなかった薬の成分が血中濃度のピークを作った後、血中濃度が急速に減少していきます。
ジアゼパム「アメル」の血中濃度が低下してくると、脂肪から血液中に少しずつ薬が戻っていきます。
それが長く続くので、血中濃度はゆっくりと減っていくのです。
ジアゼパム「アメル」を服用すると、およそ1時間で血中濃度がピークになります。その後3時間ほどで急激に減っていきます。
4時間ほどすると下げ止まり、そこからはゆっくりと減っていきます。
トータルで考えると、血中濃度が半分になるまでに43時間かかります。
この血中濃度がピークになるまでの時間を「最高血中濃度到達時間」、血中濃度が半分になるまでを「半減期」といいます。
ジアゼパム「アメル」では、「最高血中濃度到達時間1時間・半減期43時間」となっています。
服用してから1時間して効果のピークがくるので、即効性が期待できる抗不安薬です。
半減期は長いですが、効果の実感は前半の山にあります。ですから4時間程度に感じる方が多いでしょう。
長く効果を感じる方でも12時間ほどかとおもいます。
このため、効果の持続時間は4~12時間です。
後半の台地の部分は、毎日服用していると身体にたまっていきます。
ジアゼパム「アメル」を毎日服用したときの血中濃度の変化を考えてみましょう。
薬を飲み続けると、定常状態となります。
その様子を図であらわしました。
飲み続けていると、あるところで均衡状態ができます。
この状態を定常状態といいます。
ジアゼパム「アメル」では2週間ほど服用を続けると、定常状態に達します。
このように定期的に飲み続けていくと、不安になりにくい土台ができあがります。
このようなお薬なので、頓服としても効果が期待できますし、定期的に服用して1日を通してカバーしていくこともできます。
ジアゼパム「アメル」のような作用時間の抗不安薬は、「長時間型」に分類されます。
実際の効果としては、服用して15分~30分くらいで出てきます。
効果のピークは1時間くらいしてやってきて、効果はしばらく続きます。
効果の持続時間は個人差があり、薬が効きやすい方と効きにくい方がいらっしゃいます。
ジアゼパム「アメル」の分解に必要な肝臓の酵素(CYP2C19)を持っていない方が、日本人には2割ほどいます。このような方には効果が出過ぎてしまいます。
このため、ジアゼパム「アメル」の効果の持続時間は、およそ4~12時間といったところになります。
ジアゼパム「アメル」の効果の強さとしては、
?抗不安効果「中」
?催眠効果「強」
?筋弛緩効果「強」
?抗けいれん効果「強」
となっています。
用量は4~15mgとなっていて、最大20mgまで使える抗不安薬です。