低周波音の発生源と苦情 | 化学物質過敏症 runのブログ

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http://www.env.go.jp/air/teishuha/jirei/02.pdf
2. 低周波音の発生源と苦情
2.1 低周波音の発生源と発生機構1),2)
 可聴域の低周波音(概ね20Hz 以上の低周波数の騒音)は、機械や構造物が通常の稼動状態であっても発生する。

一方、概ね20Hz 以下の超低周波音は、多くの場合、機械・構造物が正常な稼動状態では発生しない。

苦情が発生するような大きな音圧レベルの超低周波音は、送風機の旋回失速等特異な稼動状態において発生する。
 

低周波音の発生機構と発生機構別の発生源を以下に示す。
1) 平板の振動によるもの:板や膜の振動を伴うものなど
   例えば大型の振動ふるい、道路橋、溢水ダムの水流等
2) 気流の脈動によるもの:気体の容積変動を伴うものなど
   例えば空気圧縮機、真空ポンプ等の圧縮膨張による容積変動
3) 気体の非定常励振によるもの:
例えば大型送風機の翼の旋回失速やシステムのサージング、振動燃焼等
4) 空気の急激な圧縮、開放によるもの:
   例えば発破、鉄道トンネルの高速での列車突入等
 低周波音の問題が発生する可能性のあるものを以下に示す。
・送風機(送風機を用いる集塵機、乾燥機、空調機冷却塔等)
・往復式圧縮機
・ディーゼル機関(ディーゼル機関を用いる船舶、非常用発電装置、バス、トラック等)
・真空ポンプ(ロータリーブロワ、脱水ポンプ)
・風車
・振動ふるい(類似の振動コンベア、スパイラルコンベア、破砕機等)
・燃焼機械(ボイラー、加熱炉、熱風炉、転炉、焼結炉、焼成炉、電気炉、ロータリーキ
ルン、キューポラ等)
・ジェットエンジン(ジェットエンジンを用いる航空機)、ガスタービン(非常用発電装
置等)
・ヘリコプター
・機械プレス
・橋梁
・鉄道トンネル
・治水施設(ダム、堰堤等)
・発破
・ガスエンジン
・水車
・変圧器
[参考文献]
1) 時田:低周波音問題をめぐって、日本音響学会誌、35 巻 7 号、1979、pp.395~401
2) 井上:低周波音の実態と対策、騒音制御、23 巻 5 号、1999.10、pp.311~318

2.2 低周波音の苦情
 低周波音による苦情は物的苦情と心理的苦情、生理的苦情に大別される。苦情の内容を以下に示す。
(1)物的苦情
 物的苦情は、音を感じないのに戸や窓がガタガタする、置物が移動するといった苦情である。
 物的苦情が発生する場合は、低周波音では、20Hz 以下に卓越周波数成分をもつ超低周波音による可能性が高い。

なお、物的苦情は低周波音だけでなく地面振動によっても発生する場合があるので、低周波音と地面振動の両方の可能性を考えておく必要がある。

(2)心理的苦情、生理的苦情
 心理的苦情は、低周波音が知覚されてよく眠れない、気分がいらいらするといった苦情である。生理的苦情は、頭痛・耳なりがする、吐き気がする、胸や腹を圧迫されるような感じがするといった苦情である。
 心理的苦情、生理的苦情は、低周波音が原因である場合と低周波音以外の原因による場合が考えられる。

低周波音が原因であるか否かは、苦情者の反応と物理量の対応関係により判定する。
 低周波音が原因である場合は、20Hz 以下の超低周波音による可能性と、20Hz 以上の可聴域の低周波音による可能性が考えられる。

このうち、超低周波音によって心理的苦情、生理的苦情が発生している場合には物的苦情も併発していることが多く、建具等の振動によって二次的に発生する騒音に悩まされている場合もある。

可聴域の低周波音の場合は非常に低い音が聞こえる(感じられる)ことによって上記のような苦情が発生することが多い。