子どもと電磁波 | 化学物質過敏症 runのブログ

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子どもと電磁波
子ども達が元気に健やかであること。

子を持つ親なら、誰もが願うことです。

しか し、子ども達の周りには、健康を損ねかねない電磁波が当たり前のように取り巻いていることは、前回のお話であきらかになりました。

白血病発病のリスクを高めることで話題になった高圧送電線だけではなく、もっと新しくて身近で子ども達が手放せない道具、携帯電話もそのひとつです。

その携帯電話が子ども達の脳に何らかの悪影響を与えているとしたら?
カゼやケガから子ども達を守るように、親達が電磁波からの害を遠ざけるためには何ができるのでしょうか?

電磁波研究を進める市民科学研究室の上田さんにお話を伺いました。

今回は、電磁波が子どもたちにどんな影響を与えているのかを教えて頂きます。


子どもをもつ親にとって、子ども達への影響が一番気になるところなのですが……。


「そうですね。今の子ども達は生まれたときから電磁波を浴び続けて育っているといえます。その悪い影響は徐々に話題にあがってくるようになりました。
最近一番衝撃的だったのは、国立環境研究所が行った疫学調査で、低周波を発生している高圧送電線の近くで磁場が強いところでは小児白血病のリスクが高まるという結果が出てきたことでした。」


前回にもお話頂いたデータですね。
耳慣れないことばですが、その疫学調査というのはどんな調査なんですか?


「ある病気の原因を探るための調査で、病気の発生頻度を集団を通してみるものです。病気の原因と思われるものにさらされている集団(暴露群)と、さらされていない集団(非暴露群)を比べて、 病気の発生がどれくらい増えているかを調べるわけです。
今回は送電線の近くに住む子ども達とそうでない子ども達の小児白血病の発症率を比べたんですね。そうしたら送電線の近くで4ミリガウス以上の磁場の強さのところでは小児白血病の発症率が2倍以上にあがっていた。」



胎児期の母親の被曝が原因とも

どうして低周波の磁界が白血病を引き起こすのでしょうか?


「白血病そのもののメカニズムはまだ分かっていないのです。ただ、小児白血病という病気は環境要因、環境リスクを調べる時のひとつの目安となる病気なんです(★注)。それで今回もこの病気に着目して疫学調査を行ったわけですね。
 また、小児白血病は5歳未満での発症がほとんどで、妊娠中のお母さんの被曝が関連しているのではとも疑われています。メカニズムはわからなくても、こういった調査を行うことで、リスクがあることはわかる。問題として表に引っ張りあげることができるわけなんです。」


★注/小児白血病、ことに急性リンパ性白血病(ALL)が注目されるのは、(1)潜伏期間が短く、環境の影響を比較的すみやかに反映する。

(2)発症と診断される者の3分の1以上が5歳以下であり、3分の2以上が15歳以下である。

(3)子どもでは、居住地域での環境影響との関連を見つけやすい。

(4)大人につきものの職業に伴う他の疾病因子の曝露を除外して考えることができる。

(5)ALLは小児白血病の大部分を占める、などの理由による。
小児白血病を引き起こす環境リスクとして良く知られた例としては、放射線と化学物質がある。

フランスのラアーグ再処理工場周辺やイギリスのセラフィールド再処理工場周辺での小児白血病の多発は、海に放出された放射能による汚染が原因ではないかとの疑いがもたれている。
アメリカでは、ボストン郊外のウォバーン(ここには100年以上も前から大きな化学工場、革加工工場、駆虫剤用の砒素工場がある)でトリクロロエチレンによって汚染された井戸水を飲用した子供たちに小児白血病が多発した。

疫学的にトリクロロエチレンとの因果関係が立証され、白血病の子供を持つ8家族は、汚染原因の会社を相手取り8億円の賠償訴訟に勝訴して大きなインパクトを与えた。
(『シビル・アクション』と題された映画になっており、新潮文庫でも翻訳が出ている。)