-6:環境保全型農業の農産物についての、都道府県と消費者へのアンケート調査について | 化学物質過敏症 runのブログ

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・■ 事実上ネオニコチノイドを使っていない認証マークもある
都道府県で、なるべく使わないよう推奨している農薬はあるか調査したところ次のような回答がありまし
た。
高知県:「⾼高知県園芸連のエコシステム栽培、特別栽培農産物ともに、使用を制限している農薬はありません。ただし、特別栽培農産物では、天敵類への影響の大きい、有機リン剤、合成ピレスロイド剤、カーバメート剤、ネオニコチノイド剤は基本的に*使用されていません。」(*禁止ではないため、一回だけネオニコが使われる場合がある)
長崎県:「平成21 年に蜜蜂の大量量死が発生し、ネオニコチノイド系農薬「クロチアニジン」の影響も考えられたことから、本薬剤の使用の多い水稲栽培において代替可能な農薬を使用するように指導し、産地で使用の自主規制をしている。」
東京都:「病害虫防除指針によるとし、毒物に該当する農薬(例:硫酸ニコチン、EPN)、吸引毒性が強い農薬(メソミル)等を制限している。」
宮崎県:「本県においては、特定の化学合成農薬の削減を目的とした取組は現在推進していないが、IPM により、化学合成農薬だけに頼らない防除を推進している。」
また、都道府県内の自治体などでの取り組みについて尋ねたところ、
群馬県(渋川市):「群馬県渋川市の認証(愛称「しぶせん」)では、ネオニコチノイド系および有機リン系農薬の使用をしない農産物を認証が運用されている。」と回答がありました。

■ 環境保全型のラベルは、無農薬や有機をめざす農家さんの応援にもなっているか?
環境保全型農作物ラベル表示には、生産者が継続して化学農薬の使用を削減していき、最終的に有機栽培につなげるインセンティブや奨励・支援の制度度があるかどうかを調査したところ、あると答えたのは「ステップアップシールになっている」とした東京都のみでした。
しかし、各府県から提供された資料や関連ウェブサイトをみていくと、ステップアップ型をとりいれているところや、化学合成農薬や化学肥料を使っていない農産物が識別できるマークをとりいれている県が13 県(宮城、秋田、山形、福島、福井、島根、山口、愛媛、高知、佐賀、熊本、大分、鹿児島)ありました。

具体的なマークはウェブサイト上で一覧できる資料1 図にまとめました。
また、インセンティブの⼀一環として熊本県は、環境保全型の栽培をする生産者の宣言と、それを応援する消費者の宣言を募集しており、「H26.10 月末時点で生産宣言 13,397 件(県内の販売農家戸数約46,000 戸の3割)、応援宣言9,042 件。H27 年度末目標:生産宣言 23,000 件、応援宣言 10,000 件」と回答がありました。
一覧は参考資料2 を参照してください。
Q. 環境保全型農作物ラベル表示には、生産者が継続して化学農薬の使用を削減していき、最終的に有機
栽培につなげるインセンティブや奨励・支援の制度度がありますか?
A. ある:1 県(東京都)
B. ない:37 県
他は未回答。ただし、「ない」や「未回答」でも、宮城、秋田、山形、福島、福井、島根、山口、愛媛、高知、佐賀、熊本、大分、鹿児島の各県ではラベルに段階がもうけられており、ステップアップや、消費者が店頭で判別が可能な表示となっている。

4. 消費者への意識調査
スーパーマーケットで主に野菜を買うという消費者が95%以上2にのぼると言われています。

店頭では農産物の栽培方法などの情報が得られるとは限りません。

消費者はどう受け止めているのでしょうか。
食や食の安全に関心がある、有機農産物や環境問題に関⼼心がある、生協など利利用したり、健康管理を意識して食品を選んだことのある方々500 人を対象にオンラインでの意識調査を実施しました。

(実施機関:楽天リサーチ(株) 実施日:2014 年12 月1 日~~3 日)。
対象を食に関心のある人にしぼった理理由は、食に関心の高い人々は、全体と比べて環境保全型農業のラベル等をみる人やそれらを選ぶ可能性のある人であり、マークのついた農産物がまず対象としている購買層と考えられるためです。
(1)環境に配慮した農産物や農業の方法として、聞いたことがあるものを、有機農業、特別栽培、環境保全型農業、減農薬、無農薬、自然農法の中から選んで(複数可)もらった結果、最も多く挙げられたのは「有機農業」、「無農薬」、「減農薬」、「自然農法」の順であり、特別栽培は5 番目でした。
(2)特別栽培について聞いたことのある人は500 人中160 人(32%)。

この中で、「意識して購入」(11%)にとどまり、意識していないが買ったことがある人(45.6%)と合わせて、買ったことのある人は56.6%でした。
(3)特別栽培の農産物を購⼊した理由を尋ねたところ、「健康によいと思ったから」)が最多で、それに次いで「環境にやさしいと思ったから」、「無農薬だと思ったから」、が続きました。
(4)ネオニコチノイド系農薬を使っていないと思う農産物を複数回答で選んでもらったところ、特別栽培や減農薬の農産物など、ネオニコチノイド系農薬が使用されている可能性の高い表示を選ぶ人も一定数おり、消費者の認識識とのずれがあることがわかりました。
(5)環境に配慮してつくった農産物のマークで、もしついていればその農産物を選ぶと思うものを聞いたところ(複数回答)、「無農薬であることがわかるラベル」が最多で、「有機栽培であることがわかるラベル」、「環境に影響の大きい農薬を使っていないことがわかるラベル」の順でした。

特別栽培の基準を説明した「農薬の使用回数が書いてあるラベル」を選んだ人は最も少ない結果となりました。
2農林水産省「平成19 年度 食と農への理解を基礎とする新たなライフスタイルの確立に関する調査結果」、JA 総研「生鮮野菜の購入先と選択理由」JA 総研レポート/ 2009 /秋/第 11 号