その5「生活環境から化学物質を減らしたいが、個人では限界がある」
【友の会だより157号(2015年9月1日)掲載分】
CSの患者は日常生活の中で家族にさえ理解されずに苦しんでいます。
昨日まで家族が使用していたものに反応するようになって、あれこれと苦しみだすため、家族はにわかに理解できないのです。
安全な商品は高価で経済的に大変になり、その挙句、離婚、別居も珍しくありません。
近隣の新改築、外壁塗装、白アリ駆除、庭木や植木、ガーデニングでの農薬散布などは患者にとっては恐怖です。
反応するものを止めてもらいたくても、お願いする、我慢する、離れる(逃げる)しかありません。
患者は人々が集まるところ、学校や職場、図書館、公共の乗り物内で、周囲の人が身にまとっている合成洗剤で洗った衣服、柔軟剤、衣服に残った防虫剤の臭い、タバコ、整髪料、化粧品の香料などに苦しみます。
香水は呼吸困難にさえなります。
寒い季節になって乗り物内で暖房が効き始めると一層苦しみ、マスクを三重にしても通勤通学が困難になります。
また、公共の乗物、図書館、博物館などの定期消毒後には反応して利用できません。
CSはこれらの症状に対して従来の検査をしてもデータにほとんど出ませんので、医師には理解していただけず心療内科や精神科にまわされます。
CSの症状にはうつや不安、被害妄想など現代医学では精神科で診る症状もあります。
しかし、これらの症状に対するCS専門医(環境医学)の診断や治療は現代医学のうつ、の治療とは全く異なります。(続く)