その4「CS患者は危険を知らせる鉱山のカナリヤ」
【友の会だより156号(2015年7月1日)掲載分】
一般に、食品の残留農薬や食品添加物は飲食品とともに口から取り込み、唾液・胃液・肝臓を通って全身を回りますが、殺虫剤や芳香剤などは呼吸とともに吸い込みます。
呼吸とともに取り込むものは、肺から直接血管に入るために体へのダメージがもっとも大きいといわれています。
体内に入ってくる化学物質の70%が呼吸とともに取り込むと考えられています。
一方、合成洗剤は皮膚から浸み込むという特異なものです。
合成界面活性剤は合成洗剤の主成分で、本来皮膚からは取り込まれない成分まで一緒に体内に取り込みます。
細胞の膜を破壊して入り込み、生命体を壊していく合成界面活性剤は、それ自体が問題なのです。
これは水と油を融合させる大変便利なものなので、洗剤の他にも日用品や工業的にも広く使用されています。
CSの患者は合成洗剤で洗った衣服を着ている人が近づくと呼吸困難になって苦しみます。
柔軟剤など使ってあれば逃げ出します。
もちろん、合成洗剤を使って洗濯などできません。
集合住宅でお隣の方が合成洗剤で洗ったものをベランダに干すと、自分のベランダに出られないのです。
CS患者にこのように影響する合成洗剤とは一体何でしょうか。
CSの患者が苦しむものは、たとえ反応は出なくても一般の人の健康にも良くないものです。
CS患者の体はこれらを感知できる優秀な体だと専門医はおっしゃいます。(続く)