その3「治療法がなくとも予防法がある」
【友の会だより155号(2015年5月1日)掲載分】
前回の内容にそって続けます。
なぜ6歳以下の子どもが問題なのでしょうか
2003年、東京都は「化学物質子どもガイドライン」を出しています。
この中の室内空気編で次のように警鐘を鳴らしています。
子どもは新生児から6歳までに身長は2倍に、体重は6倍に成長します。
神経系は、1歳で大人の25%、6歳で90%が形成される(スキャモンの成長曲線より)ため、この間に体内に取り込まれる合成化学物質によって発育が阻害され、正常に成長できないおそれがあります。
子どもは体も小さく、食事や呼吸する空気の量は大人より少ないのですが、体重1㎏あたりで比較すると大人の2倍近くの量の化学物質を取り込んでいます。
小学生→幼稚園児(保育園児)→乳幼児→新生児→胎児、と小さいほどその影響は大きくなります。
合成の匂い物質などは小さい子どもさんのいる家では避けるべきです。
2010年5月、米国ハーバード大学などの研究チームは子どもの発達障害の一つである注意欠陥・多動障害、と化学物質曝露との関連をデータとともに米国小児学会誌に発表しました。
その研究によると、発達過程にある子どもの脳は、農薬など神経系に障害を与える可能性がある化学物質に特に弱いと考えられています。
発達障害の子どもたちは日本でも増えており、対応を迫られた教育現場では特別支援学級などを設置しています。