その2「自ら作り出している生活の中の危険な空間」
【友の会だより154号(2015年3月1日)掲載分】
CSは世界的にも発症のメカニズムが解明されていません。
なぜそのような症状がでるのか、医学的に研究される中で、現在分かってきたことを考えていきます。
本来、私たちの体には外部からの様々な刺激や異物に対して「代謝」や「解毒」によって健康を維持する免疫の仕組みが備わっています。
このとき重要な役割を担う「酵素」や「補酵素」などを、体内に取り込んだ合成化学物質が破壊するため、その機能が失われると考えられています。
全身のいろんな器官でこの事態が起こるため、体のどこで何が始まっても不思議ではなく、頭痛、関節痛、腹痛、記憶障害、自殺願望の強いうつ、その他全身に広く出てきます。
CSは、一度に大量の化学物質を体に取り込むか、または長期間にわたって少しづつ取り込んで、個人の許容量を超えた時、突然発症します。
前者の例はシックハウス入居時や農薬の大量暴露など、後者は毎日摂っている飲食物に含まれる残留農薬や食品添加物、また、殺虫剤、防虫剤、芳香剤など日用品から揮発している合成化学物質を呼吸とともに吸い込んで体内に蓄積していきます。
芳香剤や殺虫剤、忌避剤は近隣で使用すると周囲700mにガスを飛ばすといわれ、自分で使用していなくても吸い込む可能性は大きく、個人だけでは解決できません。
とりわけ、妊娠中の方や6歳以下の子どものいる家庭では最も注意すべき問題です(芳香剤の中には農薬と同じ成分のものもあります。
タクシーなどでも使用されていますが控えたいものです)。