・http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/55448/
グリーンピースより
ヨーロッパのネオニコ禁止は、いまどうなっているの? ネオニコ規制の今(上)
投稿日 - 2016-02-02 19:00 コメントを追加 みなさん、こんにちは。食と農業担当の関根です。
みなさんは「ミツバチ」と聞くと何を思い浮かべますか?
私たち人間と関係すること、それはハチミツだけではありません。
リンゴやイチゴといった果物、アーモンドなどのナッツ類、トマトやかぼちゃなどの野菜に至るまで、じつに農産物の3分の1もがミツバチが花粉を運んでくれることによって、豊かに実ることができています。
もしもミツバチがいなくなったら...私たちの食の多様性にとって一大事なのです。
そんな私たちの生活になくてはならないミツバチに対して毒性が強いと言われているネオニコチノイド系農薬。ヨーロッパでは2013年の12月から3種類*のネオニコチノイド系農薬の使用が規制されました ( *イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム )。
同様の毒性をもつフィプロニルも同月中に使用規制がかかっています[注1]。
規制の開始から2年間あまりがたったところですが、ヨーロッパの規制は今、どうなっているでしょうか。
【規制は今も継続しています】
最近、「EUでのネオニコ規制は終わったの?」というお問い合わせをいただくのですが、今もつづいています。
2年で終わるというイメージの理由は、「規制の発効から2年以内に科学的情報のレビューを開始する」という規定と関係があるかもしれません。[注2]
でも、2年というのはレビューを始めるまでの年限であり、”2年間たったら自動的に規制が解除される”という意味ではありません。
規制が始まった2013年の時点でわかっていたことは、ネオニコチノイド系農薬のまじった土埃、花蜜や花粉、葉の先にたまってくる水滴(溢液)によって、ミツバチがネオニコチノイドに触れ、死ぬ、あるいは死なないけれども重大な影響をうける危険が大きいということ。
そこで、まずこの段階で使用を規制して、さらに科学的な究明が必要な点について2年間を集めることにしたのです。
【科学的な検証は2017年1月までに】
EUが規制を決めた当時、ネオニコチノイド系農薬の使用がどのように個々のミツバチやその群れに影響を与えているかといった詳細な因果関係がすべてわかっていたわけではありませんでした。
それでもEUが、重要な要因であるネオニコチノイド系農薬の規制を開始した背景には、被害を未然に防ぐために、因果関係の全容究明を待つことで対策を遅らせてはいけない、という「予防原則」の考え方があります。
実際、EUが規制をした後から、ミツバチへの影響について新しい事実がわかってきた上、他の昆虫など、ネオニコチノイド系農薬が生態系へもたらす深刻な影響が明らかになってきています(次回のブログでご紹介します)。
EUではその後、欧州委員会が欧州食品安全機関(EFSA)に、これまでにあつまった科学的データのレビューを行うよう要請し、科学者達は2017年の1月末までにレビューを行うことになっています。[注3]
その結果にもとづいて、EUレベルでの規制をどうするのか、検討することになります。
[写真:南フランスのオーガニックの穀物畑のとなりに置かれた巣箱]
日本は、規制をしないままミツバチの被害調査をはじめて今年で3年めになります。
最終結果が今年(2016年度)発表されると見られていますが、 これまでの調査結果で死んだミツバチから一番多く検出されているのが、ネオニコチノイド系農薬であることはもうわかっています。
ミツバチを守ることは、私たちの食の豊かさを守ること。
一刻もはやく、ネオニコチノイド系農薬への規制を導入するために、あなたの声が必要です。
下のURLをクリックして「子ども・ミツバチ保護法を求める署名」に参加してください。20秒でできます。
http://bit.ly/1Pcw1fa