・http://www.asyura2.com/0505/health10/msg/335.html
電車は毒ガス室。蚊・ゴキブリが生息できない濃度 有機燐剤 神経・精神障害の恐れ
http://www.asyura2.com/0505/health10/msg/335.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2005 年 7 月 27 日 22:55:16: KqrEdYmDwf7cM
発行日 =2005年07月18日 ソース =週刊
面 名 =アエラ ページ =032
発行社 =東京 文字数 =8240
有機燐剤、電車・飛行機は大丈夫か 交通機関20社がアンケートに回答 第3弾
身の回りの有機燐剤が引き起こす神経・精神障害の恐れ。
第3弾の今回は、日常生活に欠かせない乗り物を取り巻く汚染を調べた。
JR西日本福知山線の惨事が起きて何日も経たないころだった。
化学物質の人体への影響について以前取材した医師の一人から電話があった。
「あの運転士は、私の患者であったとしても、おかしくないように思われ
る」
高見隆二郎運転士(享年23)が停車位置を大きく行き過ぎるなどの錯誤を
繰り返し、眼も虚ろだったなどと報じられたことに、この医師も無関心でいら
れなかったようだ。医師はこんな趣旨のことも述べた。
「運転士も会社も袋叩きにされているが、個人の弛み、会社の体質であの事件が割り切れるのか。何か変だということは、医者が気づかずしてどうするのか。高見運転士が乗っていた車両や宿泊場所にどんな薬剤がどれだけ撒かれていたか、分かればいいのだが」
記憶力の減退、思考の混乱、精神不安定、鬱などの神経・精神障害が有機燐化合物によってじわあっと引き起こされることは、近年多くの医師がはっきり認識し始めている。
この関係の治療に熱心な医師たちが今や各地の医療機関に現れている。
田畑や林、緑地、街路樹、庭、建築物に散布される殺虫剤などには、有効成分が有機燐化合物であるものが多い。
撒かれた有機燐剤などの被害者の治療に冒頭の医師も取り組み、少なからざる患者を回復させ、学会報告もしてきた。
●分解速く難しい検出
この医師の評判を聞いて、農薬に「被曝」した住民だけでなく、白蟻、ダニ
対策などとして住宅に使われている薬剤で発症した人も遠くから訪ねてくる。
酵素毒の有機燐化合物は、もともとドイツの巨大化学メーカー(旧IGファ
ルベン)が農業用の殺虫剤として開発したが、神経・精神毒性が突出して強烈な同じ有機燐のサリンなどもこのメーカーで実験的につくられていることをナチスドイツ中枢部が知り、毒ガス兵器として相当量が第2次世界大戦中に備蓄された模様だ(実戦には投入されなかった)=アエラ3月7日号参照。
戦後しばらくしてから農薬などに利用された有機燐剤は、ドイツで農業用に
開発された当時の神経・精神毒性をかなり弱めたものだったが、ごく微量でも
亜急性、慢性、遅発性の神経・精神毒性を持つことが内外の諸研究によって確認されている。
ただ、有機燐は分解が速いので血液検査をしても検出が難しく、発症との因果関係は急性でもないと直ちには断定しにくい場合が少なくない。
それに毒性が生じるかどうかは個人によって異なり、毒性が現れても人によって大きな差がある。
しかし、いずれにしても有機燐の特徴的な毒性は、神経・精神の働きを支える酵素を壊してしまうということだ。
にもかかわらず日本では、米欧ほどの規制も受けずに、農薬取締法で農薬として、薬事法で室内用などとして各種の有機燐剤が認められ、広く大量に散布されてきた。
それぞれ用法、用量が守られていれば問題ないというのがメーカー、散布業者、行政の立場だが、使用を全面禁止せざるをえなくなることを恐れているのか、毒性についての内外の研究結果も、神経・精神障害を多発させてきた現実も、メーカー、行政側にはほとんど汲み取られていない。
JR西日本の事件をめぐり前記の医師から先の指摘があった前後、ある新幹線の運転士に関して情報があり、本人に会った。
「薬剤散布とは無関係」と自分ではみているようだが、一緒にきた家族によると、いつごろからかは明確でないが、ほんの些細なことにもすぐかっとなったり、いらいらの状態が目立つようになったという。
「怒ることもないようなことに、本人は感情を抑えられなくなっているんで
す」
JR西日本によると、高見運転士が乗って脱線した電車への薬剤使用は一部車両が3カ月足らず前、一部が4カ月半ほど前で、未明までいた宿泊施設は9カ月半前だ。
アエラが実施した交通機関に対するアンケートの回答(下の表)によれば、JR西日本でもJR東海、JR東日本でも新幹線車両には一般的にかなりの頻度で、在来線は1~3カ月くらいに1回の割合で殺虫剤類が撒かれている。