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食物アレルギー10年で2・3倍 県内の公立小中校児童生徒
社会社会shakai
時計2014/1/6 11:22
食物アレルギー10年で2・3倍 県内の公立小中校児童生徒
兵庫県内の公立小中学校・特別支援学校で、食物アレルギーのある児童生徒の割合が、10年で約2・3倍に増えていることが、兵庫県教育委員会の調べで分かった。最新データ(2012年5月時点)では3・7%に上り、おおむねクラスに1人はいることになる。学校では原因食品を取り除いたり、別のメニューを用意したりと対応に苦慮している。
東京都調布市で2012年12月、食物アレルギーの小学5年女児が給食後に死亡。
兵庫県でも10年1月、姫路市で給食のすいとんを食べた男児が重いアレルギー症状「アナフィラキシーショック」に陥り、西宮市では13年1月、卵アレルギーの児童が卵白入りのデザートを食べ、救急搬送された。
兵庫県教委は03年度から食物アレルギーの児童生徒数を調査、同年度は小中学校で1・6%だった。
翌年度から特別支援学校を含め、最新の12年度は3・7%に増えた。
増加の理由は、食生活の変化や関心の高まりなどが考えられる。
全国的にも増加傾向にあり、13年8月の国の調査では小学校4・5%、中学校4・8%に上る。
神戸市教育委員会は07年度から、小学校給食で卵アレルギーの児童に卵を抜くなどの対応を始めたが、他食品は除去していない。
別のアレルギーの児童は保護者が献立表を見て代わりのおかずを持たせるなどしている。
同市教委は「除去食は専用の調理室が必要になり、費用や人員面から難しい」と困惑する。
県教委は13年3月にマニュアルを作成したが、献立表を家庭に事前に配るほかは「一律の対応は困難」とし、対応例や留意点を示すにとどまっている。
12年5月時点で、県内で食物アレルギーの児童生徒がいる公立小中学校の完全給食実施校884校のうち、原因食品(牛乳以外)を取り除いた除去食を提供しているのは591校(66・9%)。
他食品に交換した代替食の提供は192校(21・7%)。
(上田勇紀)