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・出典:日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO80829200S4A211C1000000/
「スマートメーター景気」でも町工場は浮かぬ顔
(1/2ページ) 2014/12/16 7:00
 使った電気の総量を計るだけでなく通信など新たな機能を持つスマートメーターの敷設が始まっている。

メーター総数の3分の1を占める東京電力で今夏から始まり、今後他の電力会社でも本格化する見通しだ。

関連部材を作る町工場の稼働率は一気に高まり始めた。

もっとも、「メーター景気」の到来に沸き立っているかというと、多くの企業から「なかなか、手放しで期待できる状況ではない」との答えが返ってくる。


■新メーターの需要見込み、新たな投資


東京都大田区のメッキ加工会社、新日東電化では「スマートメーター」用部材の生産が本格化している

東京都大田区のメッキ加工会社、新日東電化では「スマートメーター」用部材の生産が本格化している
 巨大な水槽がならび、ひっきりなしに金属片をぶら下げた網が沈められては、引き上げられる――。

都内有数の規模の金属メッキ工場を運営する東京都大田区の新日東電化。工場は繁忙のさなかにあった。

関西電力、九州電力が使うメーター向け部材は今夏からフル生産に近い体制だ。型式が異なる東京電力向けのメーター部材の生産も始まっており、来年1月にはフル稼働になるという。

 新日東電化は4年ほど前、新メーターの需要を見込み、1億円をかけて、新たなメッキラインを新設した。

リーマンショックで売り上げが落ち込むなかで、メーターは数少ない新規市場だと見たからだ。

しかし、東日本大震災で新メーターの敷設時期は大きく延期されてきた。

向山光一社長にとって、新ラインがせわしなく動く様は、待ちに待った光景だ。

 メッキ加工は装置産業で、加工する部材の多少に寄らず、装置の稼働にかかる電気代や人件費はほぼ変わらない。仕事の減少は収益の悪化に直結している。リーマンショックの影響を受けた2009年度から5年間、経常赤字が続いている。この間、人員削減にも手を付けざるをえなかった。


東京電力が設置しているメーターの一種

 メーター需要はこの流れを変えるインパクトを持っている。

メーター部材めっきの今年度の売上高見通しは約1億8000万円。

15年度は3億円、16年度は5億円弱の見通しだ。メーター需要の本格化によって、新日東電化は15年度にも黒字化が可能とみている。


■新メーターの耐用年数は10年、商品サイクル短く

 電力メーターは電力会社が電力供給の契約を結ぶ住宅などに設置している。

現在、多くの住宅に設置されているのは、使った電気の総量を計る機能しかない機械式メーター。

通信機能がなく、検針には検針員を雇って、直接メーターを見る必要があった。

新メーターは通信機能などを新たに有しており、検針の手間を大幅に縮小できるほか、30分単位での電力使用量を記録し、電気の需要量を時間帯ごとに把握するなどの機能も持つ。


 製造者にとって最も重要な新メーターと機械式メーターの違いは、耐用年数が10年ほどに設定されていることだ。

10年後には新品と交換されることになり再び需要が生まれる。

機械式メーターが最大40年使い続けることができるのと比べると、商品サイクルが早い。