・http://www.nikkei.com/article/DGXMZO80829200S4A211C1000000/?df=2
この恩恵を最初に受けるとみられるのがメーターの製造会社だ。
国内では大崎電気工業、東光東芝メーターシステムズ、三菱電機、GE富士メーターの4社の寡占状態。
シェアがそのまま変わらなければ、市場の拡大は1社あたりの取り分が拡大し、旨みを増す。
長期にわたって仕事量が確保され、参加者も限られている――。
典型的な安定市場に、今夏に東京電力が実施した新メーターの入札で激震が走った。
来年に敷設する320万台の入札が実施されたとき、「想定を下回る安い価格で1社が半分近くを落札してしまった」(関係者)というのだ。
■調達価格下げ狙う電力会社、利益なき繁忙の懸念も
大量に落札したとされているのが東光東芝メーターシステムズだったこともメーター景気に期待する関係者を震撼(しんかん)させている。
東光東芝は埼玉県内に新工場を建設したものの、「落札量をすべて自社で全量作ることはできないのではないか」(別のメーターメーカー)とみられている。
それでも、割安な価格で大量に落札したことに「なんらかの別の意図があるのではないか」(同)と勘繰る声がある。
東光東芝の過半の株式を持つのは東光高岳。同社の筆頭株主は東京電力そのものだ。
つまり、東電が東光東芝の立場を利用して、メーターの調達価格の引き下げにかかっているとの臆測が広がっている。
さらに、東光東芝が自社で作れない分を、より割安に作れる海外企業にOEM(相手先ブランドによる生産)するのではないかとの見方も他のメーター会社の懸念につながっている。
東電の入札価格はほぼ同じ形状のメーターを採用する地方の電力会社の入札にも影響する。
もちろん、メーターの調達価格が割安になれば、電力料金を支払う利用者にとっては朗報だ。
ただ、「メーター景気」に期待し、前もって設備投資をしてきたメーカーからは「これでは、利益なき繁忙になってしまいかねない」との懸念が強まっている。
新日東電化の向山社長はすでに次を見据え始めていた。
「だって、メーターだけに依存してしまうと、仕事がなくなったときに、また大きく売り上げが減ってしまう。リスクが大きすぎるでしょう」。
円安への転換を好機に、海外に生産の多くを移した企業に、国内回帰を持ちかけており、一部の売り上げは回復傾向にあるという。
安値受注と海外企業の影。
グローバル化の加速で、安定内需の幻想は消えた。
かつて公共事業に並ぶ存在とされた、電力会社の設備投資。
安値におびえる事業者たちの姿は、自由化を控えた市場に表れた変化なのかもしれない。(企業報道部 宇野沢晋一郎)
runより:結局メリットがあるのは一部だけという事ですね。
利用者にとっては何の利益も無い、電気代が安価で安定するかなんて約束されてない事だ。