人間/臨床研究
Human/Clinical Studies
*発表された査読文献中に、癌患者治療としてアロマテラピーを考察した研究はない。
大部分が癌患者で行われた下で考察する研究は、それ以外の健康に関連する状態やストレスや不安のレベルと言った生活の質の程度にほとんど集中する。
*査読:学術誌に投稿された学術論文を専門家が読み、その内容を審査することアロマテラピーを含む臨床試験は、この主題に関して発表された論文で最も少ない。
2000年に発表された主なレビュー[1]はアロマテラピー・マッサージによる不安の治療や予防を研究している6 研究に焦点を合わせた。
アロマテラピー・マッサージに弱い一過性の抗不安効果があると研究が示すが、その時行われた研究がアロマテラピーの有効性を不安治療で示すために厳密さが不十分であったり、不一致があったりしたと、著者らは結論した。このレビューはアロマテラピーの他の影響(痛みのコントロールのような)の試験を含めず、特にアロマテラピーと明示しなかった臭いの影響の研究を含めない。
コクラン・システマティック・レビュー・データベース中にある数研究をさらに詳しく考察する。
無作為対象パイロット研究は癌患者で気分や生活の質、身体症に関するアロマテラピーの効果を調べた[2]。
46 人の患者を、通常のディケアのみあるいは、ディケアと標準的なオイル混合物を用いる毎週4 週間アロマテラピーマッサージに割り当てた。
患者は自分の気分や生活の質、最も気になっていた2 症状の強さを、研究のはじめとその後毎週、自己評価した。
患者46 人中、アロマテラピー群で23 人中わずか11 人と対照群中23 人中1
8 人が4 週間全てを終えた。
患者が報告した気分や症状、生活の質は両群で改善し、これらの尺度の全てで2 群間に統計的有意差はなかった。
* コクラン・システマティック・レビュー・データベース:ある目的の医学的介
入についての科学的根拠を明らかにするため,世界中の論文を網羅的に収集し,批判的評価を加え,要約し,公表するための方法。大きく信頼されている。
別の無作為対象試験は進行癌患者42 人でアロマテラピー・マッサージまたはマッサージのみの効果を4 週間調べた[3]。
患者はアロマテラピー有りと無しのマッサージ群に割り振られた;治療群(アロマテラピー群)はラベンダー精油(Lavandula angustifolia Miller[別名:Lavandula spicata L.; Lavandula vera DC.])と不活性オイルとででマッサージを受け、対照群(マッサージ群)は不活性オイルのみか、それもなしで治療を受けた。
著者ら痛みのコントロールや生活の質、不安にアロマテラピーやマッサージの有意な長期的利点がないが、睡眠のスコア(Verran and Snyder-Halprn 睡眠スケールで測定)は両群で有意に改善した。
著者らは抑うつスコア(Hospital Anexiety and Depression Scale [HADS])で統計的に有意な減少もマッサージのみの群で報告した。
オーストラリアのプラセボ-コントロール二重盲検無作為試験は、放射線治療中の不安への吸入アロマテラピーの効果を研究した[4]。
放射線治療を受けている313 人の全患者は次の3 群の一つに無作為に割り当てられた:分画オイルとキャリアーオイルか、キャリアーオイルのみ、ラベンダーとベルガモット(Citrus aurantium L. ssp. bergamia [Risso] Wright& Arn. [Rutaceae]; [別名:Citrus bergamia Risso])、シーダ油(Cedrus atlantica [Endl.]Manetti ex Carriere [Pinaceae])。全3 群は放射線治療の間にオイル吸入により投与された。
著者らは抑うつ(HADS で測定)や心理的効果(Somatic and psychological Health Trport で測定)に2 群間で有意さがないと報告した。
キャリアーオイルのみを投与された群は他の2群と比較して、不安(HADS で測定)が統計的に有意に減少した。
別の無作為コントロール試験は103 人の癌患者でマッサージやアロマテラピー・マッサージの効果を調べた。癌患者は無作為に、キャリアーオイルを使うマッサージ(マッサージ群)とローマンカモミール精油(Chamaemelum nobile [L] All[別名Anthmis nobilis L])を加えたキャリアオイルを使うマッサージ(アロマテラピー・マッサージ群]を受けた[5]。
マッサージの2 週間後、著者らはアロマテラピー・マッサージ群で統計的に有意な不安の減少と(State-Trait Anxiety Inventory で測定)、症状の改善を発見した(RotterdamSymptom Checklist [RSCL]で測定;改善したスコアがあるこのサブスケールは心理と生活の質、重度の肉体、重度の心理)。
マッサージのみの群はRSCL の4 サブスケールで改善を示したが、これらの改善は統計的有意に達しなかったと、著者らは報告した。
精油を含んでいない快い臭いがするシャンプーと比較した、37 人の小児と青年で幹細胞移植に近い時期に行った、ベルガモット吸入アロマテラピーのプラセボコントロール二重盲検無作為試験で、アロマテラピーは吐き気や不安、痛みを軽くするのに役立たないことが分かった。
この研究の投与時に、ベルガモット吸入アロマテラピーは幹細胞移植後の持続性不安の一因であるかもしれない。
プラセボより効果的ではなかったが、アロマテラピーを受けた親は子どもの移植終了と移植1 時間後、一過性不安の有意な軽減を示した。
吐き気と痛みは全ての子どもで治療中におさまったが、吐き気はアロマテラピーを受けた親で有意に強く残った。
これらの所見は、ベルガモット精油の拡散が幹細胞移植をしている小児と青年で、適切な抗不安や制吐効果がないことを示す。
単純盲検や非盲検試験一般がアロマテラピー処置を支持するので、この試験が二重盲検化したためだろう[6]。
類似試験はジメチルスルフォキシド中に保存された幹細胞を移植している成人の患者で、吐き気やむかつき、咳の強さを軽くするアロマテラピー治療の有効性を評価した。
スライスしたオレンジを味わったり嗅いだりする処置はオレンジ精油吸入アロマテラピーより症状の強さを軽くするのに効果的であったことを、この研究は発見した[7]。
英国癌センターで最初のパイロット試験後の変化後に行われたアロマテラピーサービスを評価するのが主目的である研究も、このサービスに問い合わせた患者の経験について報告している[8]。
本来調べた患者89 人中、59 人は6 回のアロマテラピーのセッションを終えた。著者らは、6 回のセッション前と比較して、6 回のセッション終了後に不安と抑うつ(HADS で測定)の有意な改善を報告した[9]。
放射線治療後の最初の追跡指定に出した原発性悪性脳腫瘍がある8 人の患者で、アロマテラピーマッサージの肉体的心理的効
果を調べた小研究がある[9]。
著者は、アロマテラピーマッサージによって患者が心理学的に良かったと報告しないが(HADS で測定)、血圧や脈拍、呼吸数の統計に有意な減少を報告した。
メリシチン耐性Staphylococcus aurus (MRSA)やバンコマイシン耐性エンテロコッカスのような抗生物質耐性菌は、世界中で大きな問題になっており、難治性の創傷感染を起こしている。
ブチル化ハイドロキシルトルエンやトリクロサン(0.3%)、未変性95%エタノール(69.7%)と調合したレモングラスやユーカリ、メラウカ、クローブ、タイムのような混合植物化学物質をインビトロでMRSA に対して研究している。
臨床試験は行われていない[10]。
2 つの局所MRSA 根絶療法を病院の患者で比較した。
標準的治療は、2%ムイピシン鼻腔用軟膏や4%グルコン酸クロルヘキシジン石鹸、1%スルガジアジン銀クリームを使う。
ティーツリー療法は、10%ティーツリークリームと5%ティーツリーボディウオッシュを含む。両方を5 日間投与した。
患者140 人は標準治療を受け、56 人(49%)からMRSA 菌がなくなった。
患者110 人はティーツリーオイル処方を受け、46 人(41%)から|MRSA菌がなくなった。
小さな患者グループで、ティーオイル処方は腋窩や鼡径(そけい)部、傷の部位でMRSA 保菌が高率になくなったが、標準治療に対するこの差は有意でなかった[11]。
現在の臨床試験
アロマテラピーや精油に関する癌の補完代替臨床試験のNCI リストをチェックしなさい。
活発に患者を募集しています。
臨床試験に関する一般情報もNCI ウェッブサイトで利用できる。