-4:シックハウスが襲った一家5人の苦悩 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・化学物質過敏症患者になった僕の苦しみ (長男の手記)


僕が小学校5年の3月に、問題の家に引越しました。

兄弟3人、3階に一つずつ部屋をもらって喜んでいました。

しかし、引越して自分の部屋で寝たら、頭痛・吐き気・めまいなどの症状が出ました。

最初は引越の疲れのせいだと思っていました。

しかし、何日たってもその症状は治らず、日に日にひどくなっていきました。

一週間ぐらい経ったら鼻血が1日に何十回と出るようになってきました。

耳鼻科に行ったら「鼻をいじったからだろう」と言われましたが、僕はそんな覚えもなく、どうすることもできませんでした。

ずっと体の調子が悪いまま3カ月が経ちました。

そして7月の上旬、家族で買い物へ行き、2時間くらいして家に帰ると、飼っていたハムスター12匹が泡をふいて死んでいました。

兄弟3人でかわいがっていたハムスターが死んたときには、悲しみを通り越して怒りへと変わりました。

これはこの家に何か原因があると思い、恐ろしくなって、おじさんの家に避難しました。

 入試勉強も大変でした。目は1時間くらい使うと見えなくなるし、イライラして集中できないし、教科書のインクのにおいを嗅いだら鼻血が出て止まりません。

一番きつかったのは記憶力が落ちて、なにも頭に入らないことでした。

中学に入って、電車通学で、乗客の整髪料や香水・化粧品・衣服に染み付いた防虫剤など、いろいろな化学物質を吸ってしまうので苦しくなり、ホームではタバコの煙で皮膚が真っ赤に腫れ上がりました。

学校に行くまで何回も途中の駅で休んでいました。

あまり我慢をしてその場所に居ると一瞬ですが意識が無くなってしまうことが度々ありました。

学校に居ても塗料やワックスのにおい、教室にいてもクラスメイトの整髪料や香水に気分不良になります。

学校内においても、入れる教室や受けられる授業も限られていました。

中2からアトピーが悪化し、クラスメイトから「うつる」「汚い」「気持ち悪い」「お前、帰れ」と言われ、病気のことを説明しているにもかかわらず、先生からは「けったいな病気やな」、「お前は一生化学物質から逃げてクリーンルームで生きるんか。できひんやろ。ちょっとぐらい我慢しろ」と暴言を吐かれました。


周囲の病気に対する無知と無理解、偏見で学校にも行けなくなりました。

僕は好んでこんな病気になったのではなく、わがままを言っているわけでもない。我慢や努力で治せるものなら我慢も努力もする。

治せるものなら、元の体に戻りたいし、戻してほしいとメーカーと国に訴えたい。

 僕の将来の夢も奪われ、この先何を目標にして生きていったらいいのかわからない。
それどころか、生活する場所すらも無くなってきている。

今15歳ですが、体はボロボロで生きることすら辛い毎日です。

建築ジャーナル2000年6月号から