5 学校が使用する日用品
(1)床ワックス
(ア) 塗布する場所の決定
清掃指導年間計画に基づき,施設の安全管理上の視点からワックス塗布の必要性について検討し,ワックス塗布の有無を決定する。
ワックスを塗布する場合には,できる限り塗布する範囲を広めないよう配慮する。
(イ) 使用するワックスの選定
ワックスを選定するに当たっては,安全データシートなどの製品表示を確認し,できる限り揮発性有機化合物等の健康被害を引き起こす化学物質を含まないものを選定する。
また,化学物質過敏症等の児童生徒が在籍する場合は,保護者と事前に協議したうえで使用するワックスを決定するようにする。
【シックスクール対応ワックスの例】
製品名 製造元
スクールタフ
スクール水性 学校用(株)リンレイ
ニュートラ・コート 学校用 (株)ジョンソン
スーパーコア グロスマックス (株)ペンギンワックス
シックハウス対応ワックス (株)山崎産業
ニュートラコート・学校用 (株)ディバーシー
ニューウッドコート (株)コニシ
※ これらの商品は,平成24年3月現在,市教育委員会が把握しているシックスクール対応商品の一部です。
各学校でワックスを選定する際の参考にしてください。なお,厚生労働省により指針値が出されていない化学物質でも、化学物質過敏症が起きる場合もあり、すべての人に対して全く問題がないとは限りません。
(ウ) 塗布方法
ワックスを塗布する際には,マスク等を着用するなど,安全データシート等に記載してある塗布方法を遵守し,作業中には十分に換気を行うようにする。特に,児童生徒等がワックスのにおいを直接吸い込まないよう十分配慮する。
なお,ワックス塗布は,原則として長期休業前か長期休業中などに行うようにする。
(エ) 塗布後の対応
塗布後は,長期休業中であっても換気を心がけ,使用開始までに,十分な養生期間を設けるようにする。
Point
教委・各学校にワックスの製品情報や塗布方法などに関する情報提供をする。
学校・上記(ア)~(エ)に留意するとともに,化学物質過敏症等の児童生徒が在籍する学校については,必要に応じて学校医・学校薬剤師,当該保護者,市教委等と相談しながら実施する。
・ワックス塗布後は,児童生徒等の健康状態の把握に努める。
(2)芳香・消臭・脱臭・防臭剤
トイレの消臭等のために芳香・消臭剤を使用していることが多いが,トイレの芳香・消臭・防臭剤等の成分の中には,シックスクール問題の原因とされているパラジクロロベンゼンなどを含むものがあるので,製品表示を確認し,原因物質を含んでいるものは使用しない。
一方,脱臭剤を使用する場合は,使用期限を守り,こまめに交換すること。
Point
学校・トイレの芳香・消臭・防臭剤を使用する場合は,有害物質を含まない天然素材等による製品を使用する。
(3)洗剤
学校において,児童・生徒が調理実習や被服実習等で家庭用洗剤を使用する場合,また,手洗いで石けんを使用する場合は,合成界面活性剤等を含む合成洗剤や複合石けんではなく,純石けんやクエン酸等天然素材を主成分とし,香料や着色料等を含まない無添加の製品を使用することが望ましい。
※ これらの商品は,平成24年3月現在,市教育委員会が把握している商品の一部です。各学校で選定する際の参考にしてください。
※ 「台所用」,「洗濯用」の洗剤は,家庭用品品質表示法によって,成分表示に「石けん」または「合成洗剤」と記載されています。
※ 「手洗い用」の石けんは,薬事法によって,全成分が含有量の多い順に記載されています。
(4)絵の具,ペンキ,接着剤・油性のフェルトペンなどの教材・教具
授業や学校行事等で使用する教材・教具には,ホルムアルデヒドやトルエンなどの有害な化学物質を含むものも多いので,理科の実験などで化学物質を使うときや図画工作で接着剤,油性フェルトペンなどを使うときは換気を心がける。
また,化学物質に過敏に反応する児童生徒が在籍する学級においては,児童生徒や保護者に事前に使用するものを知らせたり,児童生徒が体調不良を訴えた場合は,すぐに,教室外に移動させたりするなどの対応をとる。