生活・ 科学(LIFE SCIENCE)のすすめ | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出展:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
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NEWS LETTER Vol.85
生活・ 科学(LIFE SCIENCE)のすすめ
代表 立 川  涼

PPM主義
「PPMは好きだ、信用できる。」「毒性や生物影響はやらない。」と、いつも言ってきた。

化学分析(PPM)は立場にかかわりなく誰がやっても、資本主義者でも共産主義者でも同じ数字が出る。

 世界で定点を設けて、大気、水、土壌、人を含む代表的生物を選び定期的に定点測定を行う。

測定値PPMを時系列で並べ、PPMが低下していればまずは問題ない。

時系列に並べてPPMが上昇していれば、その物質あるいは定点が要注意、何らかの対応がいるということになる。

生物影響はendpointが定まらない。研究や査が進むとたえず新たなendpointも生まれる。
 それに個人的にはリスク科学はあまり好きではない。

好き嫌いだから論理的でも科学的でもなく、説得力はあまりない。

環境科学の世界で特にregulatory science(規制科学)ではリスク科学は重要な分野である。

“役に立っ”ていることは承知したうえでの私の個人的好みである。

リスク科学で常用しているリスク・ベネフィット論。個人・集団によってリスクとべネフィットは共通ではない。

regulatory scienceは時の政治、行政、あるいは社会的時代的背景を反映して作られるのは当然である。

そして、その結果として当然のことながら、普通の生活者、消費者に温かい目線ではない。

PPM主義を超えて
 20世紀中は何とか私のPPM好きであまり困らなかった。

世紀末あるいは21世紀に入り、化学物質の毒性、生物影響の世界が、特に環境ホルモン問題の提起を契機として私の考え(PPM主義)も修正を迫られている。

生体異物の無作用量、一日許容摂取量(ADI)、食品の残留許容値といった伝統的な接近が通用しなくなり始めている。

生体異物の蓄積と生物影響との間にリニアな関係が見えないこともある。人工化学物質による人間(生物)の正常な営みの変調が問われ、内分泌系、脳神経系、免疫系さらには遺伝といった生物反応が問われる。

これは現代のlife science(生命・科学)のホットな研究課題でもあり、私には歯が立たない難しい世界である。

それでも一、二の例を挙げてみる。
 最近関心を集めている発達障害。脳神経系の異常によると考えられているが、ここ20年ほどの急増は遺伝的要因だけで説明するのは無理で、問題意識の高まりとともに発見率が高まることはあるとしても、やはり増加の半ばは化学物質の何らかの関与が疑われているのは黒田洋一郎さんの指摘にもある通りである。

遺伝の分野でもDNAに変化はなくともDNAのメチル化やヒストンの化学修飾つまり外からの化学物質の侵入によって遺伝情報が変わる。

しかもその変化が次の代に伝えられる。

俗な言葉でいえば獲得形質が遺伝するらしい。