「食品に含まれるカドミウム」に関するQ&A-3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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Q8 国際基準が設定されている食品について、わが国でも同様に基準値を設定すべきではないですか?


A)

食品中の汚染物質のリスク管理の方法としては、(1)農産物の生産段階での汚染低減対策、(2)食品の製造・加工段階での汚染低減対策、(3)基準値の設定があります。

今回、わが国における食品からのカドミウムの摂取状況及び国内食品中のカドミウムの含有実態を勘案した結果、一般的な日本人における食品からのカドミウム摂取が健康に悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられます。

しかしながら、汚染物質であるカドミウムの摂取量をさらに低減することが望ましいことから、農産物の生産段階での低減対策を進めることに加えて、米について基準値を設定することとしました。

これは、日本人の食品からのカドミウム摂取の約4割が米からの摂取であり、米に基準値を設定して管理を行うことが効果的であることから、 、ALARAの原則 6)に従って基準値を改正することとしたものです(1.0ppm→0.4ppm)。

米以外の食品については、米に比べて、それらからのカドミウム摂取量が少なく、基準値を設定して管理することとしてもカドミウム摂取の低減には大きな効果は期待できないことから基準値を設定しないこととし、関係者に対し、引き続き、農産物の生産段階での低減対策を推進するよう要請することとしました。

併せて農水産物の含有実態調査を実施することを要請し、今後、一定期間経過後に低減対策と含有実態調査のその実施状況について報告を求め、必要に応じて米以外の食品の規格基準の設定等について検討することとしています。

6)「合理的に達成可能な範囲でできる限り低く設定する(As low as reasonably achievable)」との考え方。


Q9 農産物の生産段階などにおけるカドミウムの汚染低減対策として、どのような取組みが行われているのですか?


A)

土壌がカドミウムに汚染された農用地については、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律等に基づき、環境省及び農林水産省において、汚染を除去するための客土(非汚染土による盛り土)などの事業が行われています。

<参考> 農用地土壌汚染対策(環境省)

また、農林水産省において、(1)カドミウムの吸収効率の高い植物を用いて土壌中のカドミウム濃度を低減する「植物浄化」技術の普及、(2)稲穂が出る時期の前後に水田に水を張ることによりカドミウムの水稲への吸収を抑制する「湛水管理」が推進されています。

さらに、米以外の品目(大豆、麦、野菜等)についても、(1)転作作物として水田で生産された際のカドミウム濃度を低く抑制するための植物浄化等の土壌浄化対策、(2)カドミウム低吸収性品種・品目への転換、(3)土壌改良資材の施用などによるカドミウム吸収抑制対策が推進されているほか、(4)植物浄化技術の畑への適用、(5)新たなカドミウム低吸収性品種の開発など、新たなカドミウム低減対策の実用化に向けた研究開発が進められています。

<参考> 食品のカドミウム対策(農林水産省)http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_cd/cyosa/index.html

<3.食品摂食時の注意事項>


Q10 食生活において、カドミウムの摂取を減らすために気をつけることはありますか?


A)

前述のとおり、食品安全委員会の食品健康影響評価によれば、一般的な日本人における食品からのカドミウム摂取が健康に悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられます(Q5参照)。

しかしながら、水産庁や厚生労働省の調査結果によると、軟体動物(貝類、たこ、いか)、甲殻類(かに、えび)の内臓にカドミウム濃度の高いものが認められており、これらを原料として用いた加工食品である塩辛類の一部にはカドミウム濃度の比較的高いものが認められています。

これらの食品は、我が国において古くから食されてきたものであり、通常の食生活において健康に悪影響を与える可能性は低いと考えます。

食生活を通じて健康な毎日を過ごすためにも、同じ食品を毎日たくさん食べ続ける偏食などに注意し、バランスの良い食生活を心がけましょう。

<参考> 国内産農畜産物等の実態調査結果(農林水産省)http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_cd/cyosa/index.html


Q11 いつも親戚の農家から米をもらっていますが、米中のカドミウム濃度は大丈夫でしょうか?


A)

わが国で生産される米中のカドミウムについては、農林水産省が調査を実施しています。農林水産省において重点的に調査されている地域などは、以下を参照して下さい。

<参考> 産地におけるコメのモニタリング調査結果(農林水産省)

米中のカドミウム濃度の高い可能性がある地域においては、生産された自家消費用などの非売用の米についても、生産者の希望に基づき、JA等が調査分析を実施しており、販売される米と同様、食品衛生法の基準値を超過する場合は、JA等が生産者に対して消費しないよう連絡し、翌年度の栽培に当たっては湛水管理などのカドミウム低減対策を講じるよう指導を徹底しています。

なお、食品衛生法は、販売のみでなく、不特定又は多数の者に対する販売以外の授与についても規制の対象とされており、その場合は基準値に適合する必要がありますが、親戚など限られた人への授与については、対象外となっています。