環境ルネッサンス | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出展:環境汚染問題 私たちと子どもたちの未来のために
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・環境ルネッサンス(人体に見る汚染)

2006年12月26日〈火曜日〉27日(水曜日)28日(木曜日)の
3日連続で有意義なコラムが読売新聞に連載されました。


一部を抜粋にてご紹介します。



26日 有害物質 母から子供に


東京大学大学院助教授(環境システム学) 吉永淳さん(45)


 データーを検証していて首をかしげた。
1980年代後半に生まれた子供の乳歯から鉛が検出された。

この鉛とは同位体分析で、規制が進み1980年後半には使用されていない車の有鉛ガソリンに含まれていた鉛と同種であった。
その成分が乳歯から検出されたのはなぜか?二つの可能性が考えられる。
① 母親の体内に蓄積されていた鉛が、妊娠の際に血液からへその緒を通じて、胎内にいた子供に移行された。
② 排ガス中の鉛が土や砂に蓄積し、これらを子供が吸い込んだりなめたりした。
「規制後に生まれた子供の乳歯から検出されたといっても、濃度は低いが、鉛は低レベルでも健康被害が懸念される。
汚染程度や、ルートの研究は重要」と強調する。


近畿大学名誉教授(法医学) 吉村昌雄さん(79)


 吉村さんは、大阪府監察医事務所所長だった73年に病死した女性のおなかにいた胎児を解剖したとき、胎児の皮下脂肪中の「ポリ塩化ビフェニール(PCB)」の濃度が、母親に蓄積している分の60%に達していたことへの驚きが忘れられないとの事です。
旧厚生省の依頼で、PCB濃度を調べ始めて2年目だった。
当時、PCBが混入した米ぬか油による中毒事件(カネミ油症)が世間を騒がせ、母乳のPCB汚染報告もあった。

第一子を主産した女性の母乳に含まれる濃度を72年から毎年調べている大阪府立公衆衛生研究所によると、
近年平均濃度は当初の5分の1以下に減ったが、調査している計8種類の有害物質の中では、
PCBの減り方がもっとも小さく、体内残留性が高いと指摘している。
吉村さんは「規制がしかれても、環境からその物質が消えるわけではない。人の体には残り続ける」と言う。

私たちの身近にあふれる有害物質は、いったん体内に取り込まれると、長く蓄積され、世代を超えて受け継がれる。
健康被害がわかって規制されて、一件落着とは簡単にいかない。

人体汚染について真剣に考えてほしい。