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http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2014081800010.html
書評
「ニセ医学」に騙されないために——危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る! [著]NATROM
[評者]荻上チキ(「シノドス」編集長・評論家) [掲載]2014年08月17日 [ジャンル]社会
著者:NATROM 出版社:メタモル出版 価格:¥ 1,490
■インチキ予防に「読むワクチン」
「水に汚い言葉をかけると壊れた結晶になる」だの、「EM菌なるものを河川などに投入すると浄化作用がある」だの、今でも多くのニセ科学が広がっている。
根拠がないにもかかわらず、科学のフリをするニセ科学。
荒唐無稽のようでいて、その伝播(でんぱ)力は侮れない。
本書が取り扱うニセ医学も、ニセ科学の一種だ。
「医学のふりをしているが医学的な根拠のない、インチキ医学」であるニセ医学は、人々に無駄な努力を促し、治療機会を逃すことに加担する。時には、具体的に人の健康を損なう。
がん治療を否定する独自理論、ワクチン有害論、医療介入を極端に避ける自然分娩(ぶんべん)至上主義、ホメオパシーや瀉血(しゃけつ)などの代替医療、米のとぎ汁乳酸菌や超ミネラル水といった怪しい健康食品など、本書ではよく聞くニセ医学が列挙されており、一つ一つに論理的な批判が加えられていく。
ニセ医学は、近代医学を否定し、一方で高い治療効果をうたう。
「この治療法を認めると、医療関係者がもうからなくなるから隠している」といった陰謀論も好む。
その割には、代替医療の方が高くつきがちだ。ニセ医学はビジネスになるからこそ、後を絶たない。
主要な学会では認められていない、波動だのなんだのといった「独自理論」を強調し、万能さをアピールする。
時には、難病にも治療効果があるとうたう。こうしたパターンに慣れておくだけでも、「新種のニセ医学」に対する耐性が身に付くだろう。
感染症には、多くの人が予防接種をして免疫力をつけることが重要だ。
流言についても実はそうで、あなたが本書を読むことが、自身を助けるのはもちろんのこと、得た知識を身近な人と話すことで、他人がニセ医学をうのみにすることを防げるかもしれない。
本書こそ、「健康にいい」一冊なのだ。よくわからない健康グッズを買うのをやめて、こっちを買いましょう。
NATROM氏はネットで有名なブロガー。社会に蔓延(まんえん)する様々なニセ科学・ニセ医学について、論理的な発信活動を続けている。
本業は医師であり、患者によりそうからこそ、ニセ医学に飛びつく人の気持ちを頭ごなしに否定しない。
その代わりに、その矛盾を丁寧に解説し、選ぶ前に知ってもらう。インフォームド・コンセントの習慣が本書でもいかされている。
なお、版元であるメタモル出版は、多くのニセ科学本を出版してきたが、「きちんとした内容の本も出している」と、氏を説得したという。
いいセンスです。「あやしい本」を売っちゃった自覚ある書店員の方も、「きちんとした内容」の本書をぜひ、目立つ位置に置いてください。
runより:「ニセ医学」に騙されないために書評で検索した結果新聞社関係ではブック・アサヒ・ドットコムのみでした。
ちょっと疑問・・・何故朝日だけ?
そう言えばアサヒアピタルに連載してる人ってNATROM容疑者筆頭なんだよね。
ただの偶然とは思いにくいのですが・・・
ところで患者に寄り添うどころか攻撃しか見た事無いのですが?