怪しさMAXの「メタモル出版」から本を出した経緯についてNATROMはこう言ってます。
・2014-06-10 メタモル出版から本を出したわけ■[本][ウェブ]メタモル出版から本を出したわけ 22
■「ニセ医学」に騙されないためにを出すにあたって、なぜメタモル出版からなのか、疑問に思われた方もいたようである。もっともな疑問である。
怪しい出版社から執筆依頼メールが来た
これまでも「本を書きませんか」というオファーは何度かあった。
名前ぐらいは知っている、とある出版社からブログについて「書籍化の可能性はないものか」というメールをいただいたこともある。
しかし、「実際にお会いしてお打ち合わせ」できないか、という段階で問題が生じた。
出版社は東京にある。実績のある著者の本ならともかく、一ブロガーの本の企画段階で九州までの出張費は出ない。
というわけで、残念ながらこの話はご縁がなかったことになった。
他にもちょこちょこ出版の話はあったが、たいていは自費出版を勧めるスパムまがいのものであった。
そんなとき、「執筆のお願い」というメールをいただいた。
メールの差出人は「メタモル出版」とある。
あまり聞かない名前である。どのような出版社であるか、検索して調べてみた。
メタモル出版のウェブサイトの既刊書案内には、「元気健康ブックス」(読んで治す・納得する健康法を紹介)や、「危険・警告ブックス」(安全と信じられても実は体によくないものかも)や、「水シリーズ」(健康も身近な水から)などが紹介されていた。
嫌な予感しかしない。
実際の書名は以下のようなものである。
これあかんやつや
「執筆のお願い」というメールを、そっと閉じた。返事はしなかった。
・怪しい出版社はまともな本も出していた
それきり忘れていたのだが、二ヶ月ぐらいして、また「執筆のお願い」メールをいただいた。要約すると、「弊社はニセ医学的な本も出してきたので怪しいとお思いになられているかもしれない。
しかし、きちんとした内容の本も出している」というものであった。
怪しいと思ったのはその通りである。「きちんとした内容の本」については、そういえば一通目のメールにもそんなことが書いてあったような…。
完全にスパムと判定していたから読んでいなかった。
「きちんとした内容の本」の例として挙げられていたのが『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』である。
■小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK‐間違った助言や迷信に悩まされないために 森戸やすみ(著)
この本が決め手であった。
この本の想定読者は、普通のお母さん/お父さん方である。
「頭の形がいびつなのが心配」「母乳に食べたものの味が出るってほんとう?」「おしゃぶりはよくない?」といった育児中の親の不安・疑問に対して、簡潔にわかりやすく答えている。
著者の森戸先生自身による、かわいいイラスト付き。必要に応じて医学文献の提示もなされている。確かに「きちんとした内容」の本であった。
加えて、単に「きちんとした内容」であるだけではなく、お母さん/お父さん方がプレッシャーから解放されて楽しく育児できるようにという思いが読みとれた。
完璧な子育てを目指して疲れてしまうより、赤ちゃんと楽しく遊ぶほうがずっと大切である。著者自身の経験も通じて、頑張りすぎなくてもよいというメッセージを伝えている。
長く読まれるべき本であると思う。
出版社そのものはともかく、この本の出版に関わった人たちは信用できそうであると判断した。
懸念があるとしたら、「ニセ医学」の本を出している出版社から「ニセ医学」を批判する本を出すのは、マッチポンプになりはしないか、という点である。出版社の商業主義にうまいこと乗せられているのかもしれない。
ただ、その可能性はそれほど高くはなさそうだ。
こう言っては失礼だが、メタモル出版から出版された「ニセ医学」本は多数あるが、ベストセラーと言えるものはあまりなさそうである。
そもそもマッチポンプと呼べるほど燃えていない。
「ニセ医学」批判本も売れるとも限らないし。
出版社が意図的にマッチポンプを行っているのではなく、怪しい本を出している出版社の中にも良い本を出そうとしている人たちもいるのだと思われた*1。それならば、そういう人たちを応援したいと考えた。
これが、メタモル出版から本を出した理由である。
runより:全体的に変でも1つ本物なら飛びつく姿勢が東スポと呼ばれているNATROMらしい。
そんな感じなら宣伝記事要らないんじゃね?
宋先生の持ち上げ記事書く必要あんの?
もう本を売りたいという魂胆がミエミエですが・・・