ワクチン中の水銀 2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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 複数回用量容器ワクチンがまだ使用されているところでは、完全な子どものワクチン投与計画に基づくチメロサールの累積容量はメチル水銀暴露の安全限界を超えるかもしれない。しかし、チメロサールは分解して速やかに排泄される点がメチル水銀とは異なる。このリスクの可能性ある大きさを調べるために、米食品医薬品局(FDA)は体内におけるチメロサールの運命を計算した (訳注2)。人間の研究からは限られたデータしか利用できないので、彼らはマカク属サル(macaque monkeys)の幼獣の実験データを利用した。FDAの研究者らは、17匹のマカク属サルに観察されたチメロサールの体内分布と分解の変動性を検討し、また彼らは計画的ワクチン接種時における幼児の体重の変動性を考慮した。
 発表されたばかりのその結果は安心を与えるように見える。チメロサール入りのインフルエンザ・ワクチンの接種を毎年受けるアメリカの幼児は、メチル水銀の許容暴露レベルの1%以下しか受けない。短期間のピーク水銀濃度は米環境保護庁(EPA)のメチル水銀限界より低い。しかし、これで一件落着であろうか?
いや、まだまだである。チメロサールは、まだ世界の他の場所で、もっと広く使用されている。累積容量はインフルエンザ・ワクチンだけから生じるものよりずっと多い。したがってまだ懸念がある。17匹のサルからのデータは、血液中の水銀濃度は少なくとも2倍の幅をもって変動することがあり得ることを示した。体重に加えてこの変動性は、ヒトの幼児に対してもその影響の受けやすさの全範囲をカバーするということに我々は確信をもてるか?
 FDAの研究者らが考慮しなかったひとつの懸念は、遺伝的素質である。カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(catechol-O-methyltransferase, COMT)(訳注3)中の突然変異は、子ども、特に男の子を無機水銀による脳毒性に対して、よりぜい弱にすることができるという証拠が築かれつつある。そして、他の一般的な遺伝子変異体はメチル水銀による脳汚染のリスクを著しく増大させるかもしれない。これらの問題ははっきりするまでに数年かかるかもしれない。一方、チメロサールに対する安全な代替物質を追究する必要がある。