IUCN浸透性農薬タスクフォース、シンポ開催案内の文書3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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 次に、こうした稲ウンカの大発生がなぜ起こるのか、に関して、「生物多様性」というキーワードで解明された。水田のエコシステムが健全に機能している場合には、稲ウンカがたとえ水田にある程度存在していても、クモ、カマキリ、カエルなどの天敵が、稲ウンカの数を一定程度内に保つ働きをするので、稲ウンカの大発生は起こらない。

特に、ハナモグリバチのようなハチ類は稲ウンカの卵の中に自分の卵を産み付けるものまであり、これが、稲ウンカの数を制御している。
 ところが、殺虫剤を稲作の初期から散布すると、こうした天敵が殺され、天敵によるコントロールが無くなった水田で、度重なる散布によって抵抗性を身に着けた稲ウンカが爆発的に増えてしまう。

ヘオン氏は、農薬散布を行った部分が特に稲ウンカの被害を受けていることを示す写真(4)を示したうえで、「稲ウンカの問題は、殺虫剤によって引き起こされる!」という結論を示され、こうした農薬の使用が農民に及ぼす健康上の影響まで考慮に入れると、稲作によってもたらされる収入よりも、稲ウンカによる被害や、農薬の購入費、治療費など、支出の方が大きくなってしまう、というデータも示された。実際にタイの農民で、そうした支出のために大量の借金をした農民が、稲ウンカによる被害で収入がなくなり、自殺したケースを報告された。


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 このように、稲ウンカ問題の解決にならないばかりか、これをむしろ誘発する農薬が、近年、アジアの国々で、生産量や輸入量を大幅に増加させている。
ネオニコチノイドのように、欧米で禁止、ないしは厳しく規制されている農薬が、今や、アジアに「津波のように」押し寄せている。

農薬の多用は、販売業者が戦略的に農民に勧めていて、これにストップをかけることが緊急に求められる、とヘオン氏は呼びかけている。
 この講演では、通訳まで含む講演時間の制約のために、実際用意されていたパワーポイントで、殺虫剤の使用をやめて、生態系の保全をすることにより、稲ウンカの問題は解決される、という具体的な事例を、例えば、ベトナムで、稲ウンカの天敵であるハチ類が生息する環境として、田んぼのあぜ道に花の咲く雑草を残し、稲作と養蜂を同時に行う事例、稲ウンカの「パラサイト」を利用する事例などが含まれていたが、それらが講演で用いられなかったのは本当に残念なことであった。
(写真は全てヘオン博士の発表資料より引用。発表資料は、下記のURLに掲載されている。
http://www.actbeyondtrust.org/wp-content/uploads/2013/07/IUCN2013sympo04_heong.pdf


runより:実質ネオニコチノイドの問題と言えます。

みつばちが大量に死にますが植物、作物も死ぬという事に我々は気づかないといけないと思います。