・提案 2009年12月21日提出
環境病患者の保護のための規則
ドモニコ・シリポッティ議員(IDV)
同僚議員の皆さん
過去数百年にわたり、人の生活環境は産業活動により完全に圧倒されてしまいました。
化学の到来以前は、自然界には約150種の化学物質があるだけでしたが、今日では10万種以上の化学物質が市場に出ており、それらの大部分はそれらの長期的健康影響に関してテストが実施されていません。
同時に、自然環境におけるマイクロ波バックグラウンドもともとは事実上ゼロに近く、それは太陽系外からの10億分の1μW/cm2のオーダーであったにもかかわらず、過去15年間に製造された個人用無線通信は電磁界(EMF)レベルを数10μW/cm2に押し上げました。
このように、人類はわずか150種の化学物質とゼロに近いマイクロ波の環境の中で長年過ごしてきたので、例えば太陽光の紫外線から身を守るために長年の進化の過程でメラニン色素を選択したのとはわけが異なり、人の体は、これら環境要因の突然の増大から自身を守る生物学的準備が出来ていません。
したがって私たちの社会は、数十年間無害であるとみなされていた、あるいはその健康影響はまだ未知の(有害)物質の使用により、また、電磁放射の熱影響だけに基づいている現在の法律によって無害であるとみなされているが生物学的には活性な電磁界により引き起こされる新たな疾病や障害の増加に直面しています。
この点に関し、有害物質や電磁界への暴露の法的規制値は歴史的には主に産業界から金の出ている研究に基づいて決められており、公衆の健康についての政策は科学的知見の進歩を考慮するのが遅すぎるということが科学的に証明されているということを認識すべきです。
電磁界の場合には、例えば過去数十年間にわたり無線通信技術の無秩序な拡散があります。
ガイドラインに記されているよりはるかに低い電磁界への暴露の非熱影響についての証拠が増大しており、この点に関して、独立系科学者は何度かこれらの電磁界の法的規制値を低くするよう要請する決議を採択してきました。
カターニア(イタリア)決議(2002年)、ベネヴェント(イタリア)決議(2006)、ロンドン(イギリス)決議(2007)、ヴェニス(イタリア)決議(2008年)、ポルト・アレグレ(ブラジル)決議(2009)などです。
2007年、独立系科学者のグループが、予防原則の観点から電磁界についての既存の健康政策を研究し分析することを目的としてバイオ・イニシティブ・グループ(BioInitiative Group)を設立しました(www.bioinitiative.org )。
同年、バイオ・イニシティブ・レポート(BioInitiative Report)が欧州環境庁によって採択され、非常に高い周波数については安全な暴露の閾値は現在産業先進諸国の法で規制する値よりも数千倍低いであろうことを示唆し、その結論は0.6V/mというより低い安全値を要求しています。
環境と健康のための欧州行動計画の暫定評価についての決議の中で、2008年9月4日、欧州議会は多種化学物質過敏症、歯科アマルガム症候群、電磁波過敏症、シックビルディング症候群、子ども達の中で新たに生じている環境病としての注意欠陥多動症を挙げました。