2 補充理由説明書
別表の文書1の①及び文書2の①の不開示部分については、異議申立人
以外の請求人の事案について、労災請求に対する業務起因性の判断に係る委員の意見及び事務局の発言が記載されている部分である。
当該情報の委員の意見には、症状経過等の事実に言及したと考えられる
部分も含まれるものの、そのほとんどが、単なる一般的な事実ではなく、員が意見の根拠として着目した事実と考えられる部分及び医学的、専門的な見地から症例経過を解釈したと考えられる部分であり、これらは、委員の意見と密接に関連するものであるから、一体として委員の意見として捉えるのが相当である。
また、上記委員の意見及び事務局の発言は、本件労災請求事案における重要かつ機微な医学的判断について、委員及び事務局が率直にやり取りした部分であると認められるが、業務起因性の判断に当たっては、検討会の委員が率直な意見を交換できるよう、議論の中立性が確保されることが必要となる。
本件労災請求事案についての検討会における意思決定は既に終了してい
るものの、仮に、委員の意見を委員の氏名とともに開示することになれば、検討会による業務起因性の判断結果が、労災請求に係る処分行政庁(労働基準監督署長)の決定において、一定の影響を及ぼすことに鑑みると、当該委員の意見内容に対し、労災請求人からの「意に沿わない」「納得がいかない」などのいわれのない「ひぼう・中傷」の対象となることが懸念される。
意見を述べる委員が「ひぼう・中傷」に対する懸念等から心理的に大きな影響を受けることにより、労災請求者等にとって不利益な発言や率直な発言を控え、労災請求人の傷病等についての直截的な意見が述べられなくなるといった事態が発生し、その結果として、委員等による意思決定の公平性及び中立性が損なわれ、当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると考えられることから、法第14条第7号柱書きの不開示情報とすることが妥当である。
第4 調査審議の経過
当審査会は,本件諮問事件について,以下のとおり調査審議を行った。
① 平成23年9月13日 諮問の受理
② 同日 諮問庁より理由説明書を収受
③ 同年10月14日 審議
④ 同月18日 異議申立人より意見書を収受
⑤ 平成24年10月29日 委員の交代に伴う所要の手続の実施,本
件対象保有個人情報の見分及び審議
⑥ 同年11月27日 諮問庁より補充理由説明書を収受
⑦ 同年12月14日 審議
⑧ 平成25年1月22日 審議
⑨ 同年2月5日 審議