EUの化学物質政策を批判する科学者らは産業界とつながりがある2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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ヨーロッパの大学の多くの毒性学教授を含む署名者らは、欧州委員会の計画は、”科学的根拠がなく”、”常識、確立された科学及びリスク評価原則を無視する”ものであると書いた。

 提案された規制は、世界中で科学、経済、及び人の福祉にとって”懸念ある結果”をもたらし、”そのような重要な立法にとって必要な科学的根拠の堅固さに欠ける”と彼らは書いた。

 EHNからの質問に回答した科学者の全ては、彼らが産業界により影響を受けたということを否定した。

  この論説の主筆である毒性学者ダニエル・ディエトリッヒ(Daniel Dietrich)は、欧州委員会に内分泌かく乱物質について圧力をかけている化学物質、農薬、及び石油会社から資金の出ている産業組織の元顧問である。

 ”我々は、利益相反に関する議論は真の問題から焦点をそらすので、その議論が誰かの役に立つとは信じていない”と・ディエトリッヒはインタビューで答えた。

利益相反”を懸念する”

 しかし、他の科学者らは、この論説が政策提案を批判することは、科学ジャーナル編集者にとって”通常ではない取り組み”であるとして、執筆者らの動機と明らかにされない産業界とのつながりに疑問を持っている。



Stockholm University
アケ・バーグマンは産業界とのつながりを”懸念”と呼んでいる。

 ”私は、この論説に非常に驚かされた。私は、それは感情的で非科学的であり、科学と政治のの混合物であり、誤りも非常に多いと思った”と、ストックホルム大学の環境化学研究者であるアケ・バーグマン(Ake Bergman)は述べた。

 バーグマンが、編集者らの利益相反を知った時、彼はそれを”心配なこと”であると言った。

 Environmental Health 誌に掲載された反証は、バーグマン及び利益相反がないと宣言するその他の40人の科学者らによって署名された(訳注:日本の 井口泰泉・教授も含まれる)。

彼らは、ディエトリッヒの論説は、欧州委員会による差し迫った決定に影響を与えるよう設計された干渉として意図されているように見えることに懸念を覚えた”と彼らは書いている。

この論説は、内分泌かく乱化学物質に関連する”科学的証拠とよく確立された化学物質リスク評価の原則を無視している”と彼らは書いた。

 104人の科学者とジャーナルの編集者により署名されたもうひとつの反証が先週発表された。

”ディエトリッヒらによる手紙は、欧州委員会、毒性学分野を含む科学、そして最も重要なことには公衆衛生に対して甚大な迷惑をかけた”と、彼らは Endocrinology 誌に書いた。

署名者のひとりは、EHNを傘下とする環境健康科学(Environmental Health Sciences)の主席科学者であり、Endocrine Disruptors 誌の副編集長であるピート・マイヤーズである。

 バーグマンを含む最初の反証の何人かの著者は、内分泌かく乱の分野の主導的科学者であると広くみなされている。

彼らのうち14人は、内分泌かく乱物質を”解決される必要のある世界の脅威”と呼ぶ、世界保健機関と国連環境計画による最近の報告書を書いている。

 内分泌かく乱物質は、エストロゲン(女性ホルモンの一種)、テストステロン(男性ホルモンの一種)、そして甲状腺ホルモンなんどのホルモンを阻害することができる化学物質である。

それらは、食品、農薬、プラスチックのような日常消費者製品中に見られる。

それらには、硬質プラスチック、ある種のレシート、食品缶づめ内面ライニングなどに見られるビスフェノールA、芳香やビニルに用いられるフタル酸エステル類、そしてある種の農薬や難燃剤などがある。

 それらの人の健康への影響は、不確かであるが、多くの実験動物研究といくつかのヒト研究がそれらと生殖障害、がん、その他の疾病とを関連付けている。