自閉症・ADHDなど発達障害の原因と有機リン系、ネオニコチノイド系など農薬の危険性 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出展:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
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・記念講演その1
自閉症・ADHDなど発達障害の原因と有機リン系、ネオニコチノイド系など農薬の危険性

緊急問題提起:食品などを介した放射性物質
と環境化学物質の「多重複合汚染」の危険性と海洋汚染によるストロンチウム- 90、セシウム-137 の魚介類への生体濃縮
環境脳神経科学情報センター代表 黒田洋一郎
1、軽度発達障害の増加
 日米欧における軽度の発達障害の子どもが急増し、様々な社会問題が生じている。

脳の発達障害には、クレチン症など重度のものが昔から知られているが、最近注目されている発達障害は、比較的“軽度”のもので、その症状により自閉症スペクトラム障害(Autism SpectrumDisorder、ASD)、注意欠陥多動性障害(AttentionDeficit/Hyperactivity Disorder、ADHD)、学習障害
(Learning Disorder、LD)に大まかに分けられている(2013年5 月アメリカ精神医学会発表の診断基準がDSM-5に改訂)。

発達障害の症状は子ども毎に多様で、個性との連続性があり、線引きするため診断が困難である。

特定の診断がされずとも、人との付き合いが苦手な灰色ゾーンの子どもも多く、虐待、いじめ、不登校などに繋がる場合もみられ、社会的に大きな問題となっている。
 日本では文科省のアンケート調査で、2002年には全学童の6.3%に何らかの発達障害が出ていると報告され、環境省の子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)でも、精神神経発達障害の増加について重要な検査対象となっている。

米国では古くから自閉症への関心が高く、特にカリフォルニア州では自閉症児の登録制度があり、ここ数十年で登録が7 倍に激増している。

この増加には診断基準の変化による部分もあるが、それでは全体の40%しか説明できず、実数が確かに増えている。
このような発達障害は最近まで遺伝要因が強いと考えられてきたが、遺伝が原因とすると実数の増加には数百年、数千年以上がかかるはずで、数十年でこのような増加が起こるのは遺伝要因では説明がつかず、何らかの環境の変化が原因であることが明確になってきた。

2、発達障害の原因―遺伝要因から環境要因へ
 一卵性双生児は遺伝子が同じなので、特定の疾患などの罹患率を調べれば、その疾患の“遺伝率”がわかると単純に考えられ、自閉症でも調査が行われた。

初期の研究で1977年に、調査数がたった21例と少なく、診断基準も主治医の主観で行った二卵性と比較する一卵性双生児調査で、遺伝率が92%と算出された。

それまで「自閉症発症は母親の育て方のせいという“冷蔵庫マザー”説」に悩んでいた親や専門医にも受け入れられ、「自閉症は遺伝要因が強い」と今まで広く信用されてきた経緯がある。
しかし最近の研究、ことに2011年により多くの調査数(192例)で調べられた検出力の高い論文では「“遺伝率”は37%」と報告され環境要因(63%)の方が強い。

これは「長生きは遺伝で決まるか」という問いにデンマークで行われた一卵性双生児法調査の結果、「“遺伝率”20?30%」とあまり変わらない。
 また一卵性双生児の多くは、胎児が胎盤を共有するか、共有しなくても近接しており、栄養など母体からの供給が競合することなどにより低栄養になりやすく、脳神経系はもとより種々の障害が発生しやすいことが知られている。

このリスクは環境要因であるが、これまでの調査では無視されてきた。

さらに「一卵性双生児法で遺伝と環境要因の割合がわかる」とする研究法自体が最近の分子生物学のエピジェネティックスの知識では原理的に不正確で、これによって算出される“遺伝率”には環境要因が入っている。

すなわち、真の遺伝要因は37%よりさらに低く、残りの約70%前後は環境要因であり、自閉症は一般の高血圧、糖尿病などと同じ「環境病」の一種で、遺伝要素はなり易さを決める遺伝子背景といえる。