黄砂実態解明調査-平成20~22年度:3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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3. 黄砂の飛来状況
3.1. 気象台発表の黄砂日
平成15(2003)年度から22(2010)年度までの黄砂日観測数の経年変化では、2007 年度まで年々増加していたが、2008、2009 年度と減り、2010 年度再び増加している。

この間の経月変化では3~5 月の飛来が顕著であった。地域的には、九州、山陰への飛来回数が上位を占めていた。

3.2.黄砂日のSPM 濃度
SPM 平均濃度と黄砂日数ともに西日本で高い傾向がみられた。

2008 年から2010 年の3年間では、2009 年には全体的に低い傾向がみられたが、2010 年には西日本で高い傾向であった。

3.3.黄砂日の黄砂規模
黄砂飛来日の黄砂の規模を、観測された都道府県でのSPM 平均濃度に観測地点都道府県数を乗じて算出した。

その値が、1000(μg/m3×都道府県数)を超える大規模な黄砂は、2003 年度から2010 年度で全黄砂日のうち14%を占めていた。

4.成分分析結果
4.1. 黄砂採取状況
4.1.1. 浮遊粉じん(TSP)濃度
採取した試料のうち、黄砂を観測したものは27 件あり、そのTSP 濃度の平均は86μg/m3 で、全試料の平均濃度56μg/m3 の1.5 倍となっていた。

4.2. 黄砂の化学分析結果
アルミニウム(Al)の分析結果は、黄砂の影響がみられる件体では(黄砂が観測され且つTSP が100μg/m3 以上あるもの5 件)、3.7~7.4μg/m3 の値で平均は5.5μg/m3(組成4.6%)であった。

これは、黄砂の影響がみられない件体の平均1.2μg/m3(組成2.5%)と比べると大きな値となっていた。
二段型LV により捕集した粒径2.5μm 以下(微小粒子(PM2.5))中のイオン成分分析結果では、黄砂の影響が見られる件体で硫酸イオン濃度は、3.0~7.4μg/m3(平均5.5μg/m3)となっていた。
農薬の分析結果では、各物質とも大気管理参考濃度よりもかなり低かった。

また、検出された農薬は日本でも使用されており、大陸からの飛来の影響をみることはできなかった。