その4:香料の健康影響に関する調査および病院・保育園等における香料自粛に関する要望 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・他にも、朝起きて近隣の洗濯物の洗剤や柔軟剤のにおいが家の中に流れ込む、学校や職場でも香料に一日暴露し疲弊して帰宅して、自宅でも服や髪の毛にまとわりついた移り香がいつまでも残って苦しい、シャワーを浴びてもカバンや持ち物に付いたにおいはとれない、衣類は洗濯しても移り香がとり切れない、夜には近隣の入浴時のシャンプー・リンスのにおいが押し寄せて、換気もできない、眠れない…。このような状況では心も体も休まる時があろうはずがありません。

長期間そのような状態が続いた後に本格的に体調を崩したなど、香料で過敏症を発症したと思われる方もいます。
ご近所の方の理解を得るのも難しいところがあり、お願いが功を奏した事例もありますが、お願いしてもすべての方に理解していただけるわけではなく、近所トラブルが怖く申し出られないという方や、健康上の理由や事情を伝えても全く理解されず毎日毎日苦しんでいると訴える方もいます。
職場の理解を得ることもやはり難しく、軽症の方や今何とか体調を維持して働いている方も職場での香料暴露や移り香への対策に疲れたり困ったりしている様子がうかがえます。

化学物質過敏症になって仕事を辞めた、芳香臭を避けられず外で働くことができない、あらゆる場所で移り香がして働けない、香料ブームになって以来無職のまま、働きたいのに働けないという声は多く、会社から香料を避けて働く場所はないと言われ自主退職したことを無念と訴える方もいます。

患者もできる限り症状を悪化させないように生活上の工夫をしていますが、生活上の支障、困難を感じている人はたくさんいます。

外出して帰宅後は、服や髪の毛をすぐに洗わないといけない、においがとれるまで何度も洗濯しなければならない、そうしなければ長時間苦しむことになると訴える人も多く、スーパーなどに買い物に行けない、宅配での取り寄せも、宅配業者、配送担当者の柔軟剤やシャンプー等の香料に暴露する、届く荷物にも柔軟剤等のにおいが付着している、外出そのものが困難、公共交通機関を利用できないなど、日常生活でも大変困っており、その不自由さは想像を絶するものです。
病気や怪我のときなど、身体が弱ったりダメージを受けたりしたときに病院を受診しなければならないこともありますが、病院の室内空気も香料で汚染されていて、他の患者さんの洗剤や柔軟剤、シャンプーなどのにおいが漂い、マスクをつけていても苦しく気分が悪く、待合室にいられない、医師や看護師、療法士など医療スタッフでも香料を使用している人がいて、息苦しさ、気分の悪さ、皮膚のかゆみなどの症状が出て、診察を受けるのにも苦痛を伴う、入院中、白衣やシーツ、カバーなど寝具の洗剤の香料臭や他の入院患者の使用する、整髪料や香料入り石鹸、芳香スプレー、においの強い柔軟剤などで苦しむ、病院のトイレの芳香・消臭剤で苦しい思いをした…病院での香料暴露についてたくさんの声が寄せられました。
病院や福祉施設のように体調が悪い時など必要があって利用しなければならない施設の場合、問題は深刻です。

病院でアロマをたくところが増えて大変という声もありました。
ドラッグストアのマスクや処方箋薬局で処方された薬の容器の移り香にも困っている人がいます。
さらに、介護現場ではケアマネージャーやヘルパーの援助が必要不可欠ですが、担当者の柔軟剤やシャンプー、汗ふきシート、制汗剤などで頭痛や吐き気、気道狭窄など様々な症状に見舞われ、必要な支援が受けられずに困っている人がいました。

これは自宅での介護の事例ですが、病院と同じように、福祉施設も、介護やケアの必要性があって利用する施設です。

老後に施設を利用することができないかもしれないと不安に思う声もあります。体験事例を提出できなかった会員で介護施設を退出せざるをえなかった例もあります。

障害児・者や高齢者などやはり化学物質の影響を受けやすい人々が長時間を過ごすため、病院と同じように薬剤弱者への配慮が求められる施設ではないでしょうか。
保育園児の事例はありませんでしたが、ボランティアで訪れた方は保育園の体育館の中の芳香臭で中にいられなかったそうです35)。

保育園に通う乳幼児は、自分で正確に症状などを訴えることができません。アレルギー症状の悪化など目に見えてわかる症状の発現がなければ、小さな子どもは、ぐったりするほど重い症状であれば別ですが、頭痛や気分の悪さを言葉で伝えられなかったり、落ち着きがなくなるなど行動の変化として現れたりするため症状の発現がわかりにくい、症状と香料との関連性も気づかれにくいため顕在化しにくいという問題もあります36)。

学校で子どもたちにおきていることは幼稚園や保育園、児童福祉施設などでもおきている可能性があり、周りの大人が子どもたちに香料による健康影響が出ていないか気を配る必要があります。