その3:香料の健康影響に関する調査および病院・保育園等における香料自粛に関する要望 | 化学物質過敏症 runのブログ

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【理由】
香料製品の氾濫と健康被害の増加
私たちの生活環境は、洗濯洗剤・柔軟剤・石鹸・ボディシャンプー・シャンプー・整髪料・制汗剤・汗ふきシート・化粧品・香水・アロマオイル・衣類用芳香剤・家庭用/車用芳香剤・消臭剤・防虫剤・虫よけ剤・清掃用洗剤・浴用剤・除湿剤など着香製品への香料依存が強まり、子どもも大人も日常的に香料に曝されるようになってきました26,27)。

特に柔軟剤市場はこの数年右肩上がりに伸びており、各メーカーが残香性を高めた製品を開発、製品中の香料も増量して強い香りが長く続く製品が増え、さらに最近は洗濯後乾燥機使用時や収納時に使用する衣類等への着香のみを目的とした製品まで登場しました26)。

衣類用洗剤、柔軟剤などは、香水等着香のみを目的とする製品と異なり、使用者自身が着香について無自覚となりやすく、特に注意が必要です。
現在、大勢の人たちが、香料で健康被害を受けています。

考資料を見てください。

香料で健康影響を受けるのは化学物質過敏症の患者だけではありません。

アレルギー、喘息、偏頭痛の患者など、香料等によって症状が引き起こされる可能性のある疾患に苦しむ人は大勢います28-31)。
環境省は今年6月に始まった女性クールビズで柔軟剤や制汗剤等の使用を推奨していましたが、健康被害を受ける人が増えるとの市民団体等の多数の声を受けて、すぐに着香製品の推奨を撤回しました28)。
医薬食品局の「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」によれば、近年、芳香・消臭・脱臭剤の吸入事故等の報告件数が、年度により減少もありますが増加し続け、平成12 年度の44 件から、17 年度には80 件を超え、23 年度は105 件とこの10 年で倍増しています32)。
消費者庁と国民生活センターの事故情報データバンクにも、「柔軟剤」や「合成洗剤」、「芳香剤」などの「香料」による健康被害の訴えが数多く報告されています33)。例えば、「柔軟剤」で検索すると、2009 年からの累計で、2013 年9 月19 日時点で128 件もの事故情報が確認でき、新聞報道によると2009 年は5 件、2012 年は48 件と急増したとのことですが28)、今年はさらに増加しています。
柔軟剤による体調不良や健康被害に関する新聞報道が続いていたところ28)、9 月19 日に国民生活センターの「柔軟仕上げ剤」に関する報道発表があり34)、多くのメディアが取り上げました。

相談内容で危害情報の件数が急増、体調不良や呼吸器障害などの危害が91%を占めており、同センターは、消費者への注意喚起をするとともに、業界にも「(商品の注意表示や啓発活動など)においが与える周囲への影響について配慮を促すような取り組みを行うよう」求めました28,34)。

2012 年に実施した商品テストでは、洗濯物を室内に干した際の室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)を分析すると、いくつかの成分は香料原料や香料の溶剤として使われる化学物質と推定され、総揮発性有機化合物(TVOC)の室内濃度上昇分は、強い芳香の製品が微香の製品より3.5 倍から7 倍も高く、最も濃度が上昇した製品では、一定の換気がされている状態で干してから1 時間後に厚生労働省の定める室内濃度の暫定目標値400μg/m3 の3 分の1 を超えていました34)。
なお、この報道発表後、健康被害の訴えがさらに増加し、平成26 年1 月8 日現在、事故情報データバンクの柔軟剤に関する事故情報は279 件にまで増加しています33)。
特に、強い香りの洗剤や柔軟剤等のコマーシャルが目立つようになるに伴い、町中に様々な芳香臭があふれるかのようになってきました。
今回の要望書提出にあたって、香料への暴露体験事例を募集したところ、3 週間ほどで、10 代から80 代の方まで47 事例(家族も含め51 人の事例)が集まりました35)。40 代~50代の女性が多く、男性も少ないですが各年代にいます。
各地に、学校の教師や保護者の香水や化粧品、友達の柔軟剤や制汗剤の香料に暴露して苦しんでいる子どもたちや、職場の同僚の香水や柔軟剤、近隣の洗濯物の洗剤、柔軟剤やシャンプー等の香料などに曝露して苦しんでいる人、香料への暴露のために病院や介護支援の利用、外出や公共交通機関の利用が困難で困っている人がたくさんいます。
添付資料の「香料暴露体験事例集」35)をご覧ください。

様々な場所で香料暴露に苦しんでいる、一日中香料暴露から逃れることができない、と訴える人が何人もいます。

強い香りの柔軟剤の発売以降に発症した、長年香料暴露に苦しんでいるが特にこの数年で酷くなった、生活上の支障が大きくなったという声もたくさんあります。

いつまでもにおいが残る、洗濯をしても移り香がとれない、香りが長く続く残香性を高めた製品が増えていることも問題と感じている人もいます。
子どものとき、若いときから今日まで暴露が続いている、一年を通して曝露されない日がないという人も多く、次のような訴えがありました。

「道を歩いていていると側溝や家、公共施設、病院、床屋や美容院、スーパーや銭湯等の入浴施設、コインランドリー、通風孔から漏れてくる匂いを浴びる。屋内にいても家の排水溝や窓から、よその洗濯物や入浴時の芳香臭が入ってくる。乗り物の中でも、待ち時間にも、皆が使っている香料を浴びる。」35)