美しい雲仙の霧氷に異変が | 化学物質過敏症 runのブログ

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・NHK2014年1月23日
https://www.nhk.or.jp/nw9/marugoto/2014/01/0123.html
2014年1月23日(木)
美しい雲仙の霧氷に異変が


井上
「こちら、冬の朝、山肌に幻想的な景色を作り出す『霧氷(むひょう)』です。
長崎県・島原半島(しまばらはんとう)の雲仙普賢岳(うんぜんふげんだけ)では小さな花のような霧氷は『花ぼうろ』と呼ばれます。」

大越
「しかし今、この霧氷に異変が起きています。」

美しい雲仙の霧氷 異変が…
標高1,359メートルの雲仙普賢岳。
0度以下に冷え込み、湿度の高い冬の朝には、霧氷が現れます。
大気中の水蒸気が木などにぶつかり、急速に凍ってできます。

この霧氷に起きている異変に気づいた、渡辺博光(わたなべ・ひろみつ)さん。
元高校の理科教師です。
これまで、400回以上、雲仙普賢岳に登ってきました。
渡辺さんは、霧氷がわずかに変色しているのに気づき、採取し始めました。

元高校理科教師 渡辺博光さん
「ひょっとして大気汚染で汚れているのではないかと。」

溶かした霧氷を水道水と比べてみると…。
右側が溶かした霧氷。
濁って見えます。
中には、黒い粒が漂っていたのです。



核心:霧氷が訴える“越境汚染”


雲仙普賢岳の霧氷に何が起きているのか。
大気汚染の研究が専門の永淵修(ながふち・おさむ)教授に解析してもらいました。
分析したのは、先月(2013年12月)27日の寒波でできた霧氷。
成分を調べると、驚くべきものが見つかりました。

滋賀県立大学教授 永淵修さん
「これは水銀。」

大量の水銀が含まれていたのです。
その濃度は1リットルあたり、146ナノグラム。
普段、日本国内で降る雨や雪に含まれる水銀の量、10ナノグラムをはるかに上回りました。

滋賀県立大学教授 永淵修さん
「今まで、こんなに高いのは(調べている)中では、水試料としては最高の濃度。」

この量は、ただちに人体に影響を与えるものではありませんが、監視が必要だと永淵さんは考えています。
国内では水銀が厳しく管理されている中、なぜ霧氷に水銀が含まれていたのか。
注目したのは、冬の雲仙普賢岳に吹きつける風です。
採取した霧氷ができた先月27日。
この地域には、北西からの風が強く吹きつけていました。

永淵さんは、当時の上空での大気の流れを分析しました。
地図上の線は、霧氷ができる前日の夜から朝まで雲仙普賢岳に流れてきた大気が、どこから来たのか、1時間ごとに分析したものです。
そのほとんどが、中国の北京周辺から流れてきたことが明らかになりました。



滋賀県立大学教授 永淵修さん
「北京や天津、中国の人口が密集しているあたりを通っている。
PM2.5で騒がれているが、そういう都市部を通過して来ている。」

中国で問題となっている、大気汚染の原因物資PM2.5は、国境を越えて日本にも影響を与えています。
永淵さんは、水銀も同じように、中国から運ばれてきたと考えています。
水銀はもともと石炭に含まれていて、燃やした際に気体として放出されます。
中国では、十分に対策されないまま、大気中に放出されているとみているのです。


滋賀県立大学教授 永淵修さん
「中国は世界で一番の水銀の放出国。
日本みたいな極東、西風が常に吹いている発生源があると風で何もしなくても来る。
日本だけではどうしようもない。」

“越境汚染”の実態は 日中韓の共同研究
佐々木
「国境を越えた大気汚染にどう対応していくのか。
実態を明らかにしようと、日本、中国、韓国共同で研究が進められています。」

埼玉県加須市にある環境科学国際センターです。
専門研究員の米持真一(よねもち・しんいち)さん。
どういう物質がどのように越境してくるのか、広域的に調べようと、中国と韓国の研究機関などに共同研究を呼びかけました。



観測地点は、センターのある加須市のほか、北京や韓国の済州島(ちぇじゅとう)など5か所です。



米持さんたちが汚染の実態を知る手がかりとして注目したのがレアアースの1つ、「ネオジム」です。
日本国内では産出されていません。
加須市で去年1月と3月、越境汚染とみられる原因でPM2.5の濃度が上がった際、ネオジムの濃度も上がったのです。


黒い折れ線グラフがPM2.5の濃度、赤い棒グラフがネオジムの濃度です。

埼玉県環境科学国際センター 米持真一専門研究員
「PM2.5の濃度が上がった時に、ネオジムの濃度も上がっている。」



このネオジムも中国から運ばれてきたのではないか。
米持さんたちは、北京と加須を比較してみました。
PM2.5にネオジムなどのレアアースが含まれる比率を表したグラフです。
上が北京、下が加須です。
加須は北京の10分の1の量ですが、比較してみると、成分の比率がよく似ています。
こうしたことなどから、北京の汚染物質が加須に飛来したと考えられるということです。
その上で…。

埼玉県環境科学国際センター 米持真一専門研究員
「北京のPM2.5中で見られたレアアースの成分の比率が、北京から約600キロ北西の鉱山で産出のレアアースの比率に似ている。
レアアース鉱山近くの空気が北西風に乗って流れてきている。
途中に北京・加須があると考えていいのでは。」


米持さんは、こうした越境してくる汚染物質の性質やルートを更に明らかにしていこうとしています。

埼玉県環境科学国際センター 米持真一専門研究員
「(私たちの研究で)越境大気汚染物質が、どのように流れてくるのか、どういう経路で来るのか、正確に知ることができる。
どういう対策が必要なのか、考えるための情報として活用してもらえれば。」

“越境汚染”に住民たちの対策は
「越境汚染」の対応に日々、悩まされている九州北部、福岡市です。
市内のホームセンターには、対策グッズの特設コーナーが…。
売れ筋は、PM2.5専用のマスク。
今年(2014年)から売り始めたということです。


「こちらに流れてきていると思うと怖い。」


「健康が気になります。
きょうも幼稚園だったけど、マスクをして幼稚園に行きました。」

さらに、こんな対策も。

「こちらが今、多くお問い合わせ頂いていますサンルームになります。」

この会社には、汚染物質などを防ごうと、バルコニーや庭にサンルームを設置してほしいという依頼が殺到。
多い月には、20件あまりの問い合わせがあるといいます。

サンルームを購入したこの女性。
PM2.5や黄砂などを心配せずに、洗濯物を干したいと庭に設置しました。
費用は、およそ70万円しましたが、健康には代えられないと決断しました。


そのサンルームのガラスには今日もびっしりと土ぼこりが…。

サンルームを購入した女性
「外に干して、そのまま衣類についていると思うと怖い。
健康のこととか考えると、そんなに高い買い物ではないかな。」

市民生活を脅かし続ける「越境汚染」。
一刻も早い対策の必要性を霧氷は訴えています。

大越
「汚染物質の広がりには、国境は関係ありませんので、隣り合っている日中韓の協力、いっそう進めていっていただきたいと思います。」


runより:PM2.5は物質の大きさなので何が含まれているか分りません。
水銀まで・・・さすがにこれはマズイ。