事故米後も繰り返されるクズ米混米-2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・繰り返されたふるい下米の“規制緩和”
 政府はこの問題をどう扱ってきたのか。“規制緩和第一弾”となったのが95年の食糧法で、特定米穀と米穀の区別が撤廃され、低品質米を主食用米として堂々と販売できる下地ができています。

それでもまだ、食糧法「精米品位基準」が基準を満たさない精米の販売を禁止していたため、格上げ混米はある程度抑止されていました。

しかしその品位基準もその後、規制緩和第二弾によって次のように削除となります。

 旧食糧庁『米の表示等についての検討会』は2002年、低品質米問題を取り上げ、①消費者が低品質米を判別可能とする表示の必要性、②精米品位基準を2倍厳しくする案の検討を行っていました。

しかしこれらはなぜか実現せず、その代わりに2004年、米穀公正取引推進協議会という任意団体によって『米穀の品質表示ガイドライン』が作られ、食糧法の品位基準は削除されています。

つまり、格上げ混米を厳しくする基準案は、逆に遵守義務のない民間ガイドラインに変わったわけです。

 特定米穀の区別をなくし、販売禁止事項も削除。
こうした事実を見れば、単に業者が低品質米を混合しているだけでなく、それをサポートする政策が数年かけて作られていたことが分かります。

業・官連携による “ふるい下米混米制度”ができあがったわけです。

消費者庁調査に生じた疑義
 こうした過去の経緯をご理解いただいた上で、現在進行中の内閣府食品表示部会の審議に目を向けてみます。
 2009年10月、当会は設立後間もない消費者庁を訪れ、「安いクズ米や古米を混ぜても表示義務がないのはおかしい」「検査を受けないと品種や産年、産地を表示できないのは、他の農産物との整合性がない」などと、米の表示基準を見直すよう申し入れました。

それに対し当時の相本浩志食品表示課長らは、「農水省にいた当時、消費者からクレームがあり、調べたらクズ米が混じっていた。そういう実態があることは知っている」と応じ、パブリックコメントを行うので意見書を出すように我々を促したのです。

そして2010年、実際に意見書を出すと、それらは内閣府食品表示部会で審議対象となりました。

この時点までは、食品表示課は見直しに本気だったと考えています。
 しかし、その後、相本氏の後任課長に代わってからは後ろ向きに転じ、食品表示部会での説明や報告には疑義を感じるものが多く、信用できないと感じています。
 具体的には、ふるい下米は未検査米でありかつ規格外相当品という明確な特徴があるので、もし精米工場で原料米として使っていれば外観からも容易に見分けがつきます。

ところが、同課の調査報告には未検査米に関する言及が一切無く、検査米が適切に使用されていたと報告し、他にも、未検査米を混合する精米工場があったにもかかわらず次のように報告しています。
「調査した工場では、原料玄米の投入段階以降で、玄米及び精米などを混入する工程はなかった」
 このように、同課の報告には数十万tのふるい下米がどこで発生(もちろん、農家ですが)し、消費されているのか実態が全く表れていないのです。こうした報告に疑問を持ち、同課に次のような照会を行いました。

①未検査米を使用する精米工場は無かったのか、

②もしあったとすればどの段階で混合されるか。

すると同課は、当初、文書での回答に難色を示し、しつこく回答を迫ってようやく次のような回答を得ました。
「未検査米を使用することはあるそうです」「原料玄米の最初の投入段階で、複数原料米を同時に投入することになります」「等級等については調査していません」
 つまり、実際には未検査米を使用する工場があり、混合する工程があったのに、報告ではそれがないかのように印象づけようとし、委員の誤解を招くような表現を意図的に使っていたのです。

委員会を欺き、ひいては国民を欺くものであり、調査そのものの信頼性が疑われます。

もし本当に未検査米を混合している事実に気づいていかなかったとしても、やはり調査が不十分だったといわざるを得ず、いずれにしても実態調査のやり直しは不可欠です。

 こうした食品表示部会の審議を見ると、舞台が農
水省から消費者庁に移っただけで、2002年の検討会と似た経過を辿ろうとしているようにみえます。
 数十万tの低品質米に群がり利益を得ている「シロアリ」のような人々が実在することを直視する必要があり、極一部の人にのみ有用なJAS表示とならないよう、我々市民グループがしっかりとチェック機能を果たし、消費者庁の言動には疑義があることを訴えて行かなければなりません。