・出典:慢性疲労症候群(CFS)入門
http://spinozafj.web.fc2.com/mangcfs.html
・第26章 喪失を深く悲しむ
喪失を受け入れることはCFSと繊維筋痛の最大の課題の一つです。
両方の疾患は、体のコントロール不能、友人たちの喪失、そして大切な活動の喪失を含む多くの深刻な喪失を作り出します。
人々はしばしば、仕事を辞めて、そして収入、親交と挑戦を失うことを強いられます。
そしてしばしば、人々は夢を諦める必要があり、したがって自分の想像した将来を失います。
要するに、我々は以前の自分と我々がなりたいと望んだ自分、両方の喪失を経験します。
喪失の浸透は我々に非常に手ごわい課題の幾つかをもたらします。
多くが奪われたとき、希望を持ち続けて、新たな意味を生活にもたらすことです。
この章ではどのように喪失を克服するべきか論じます。
次の章では新しい生活を築くために喪失を乗り越える方法を記述します。
喪失への対応
喪失は悲嘆という感情的な反応を引き起こします。
悲嘆は普通、愛する人の死を連想させますが、それはどんな喪失のあとにでも起こり得ます。
喪失への反応は、Elizabeth Kubler-Rossの著書On Death and Dying (『死ぬ瞬間』)の中で説明するように、死のよく知られている段階の観点から時々論じられます。
否認、怒り、取引、抑鬱と受け入れです。
しかしながら、ほとんどの人々にとって、段階という用語によって暗に示されたような、きちんとした、秩序ある前進がありません。
むしろ悲嘆は、いくらかを経験する人がいるかもしれませんが、もっと個人的なプロセス(過程)です。
必ずしもKubler-Rossが説明した感情のすべてを経験するわけではありません。
また、人は何度か幾つかの感情を経験するか、あるいは同時に複数の感情を感じるかもしれません。
悲嘆を克服することで二重の利益を生み出すことができます。
カギとなる心理的問題を解決するだけでなく、同様に身体的問題でも困難を切り抜けられます。
悲嘆に暮れることは症状の突然の悪化に関連しています。
喪失の感情を解決することで、エイズで親友を失ったHIVポジティブの男性たちのコントロールを助けることができます。
研究で、喪失に意味を見いだすことが可能であった男性たちは、次の数年で自分がエイズで死ぬリスクが際立って小さかったということが判明しました。
否認と不信
CFSあるいは線維筋痛の診断はしばしば、苦しみに名前をつけて、苦痛の軽減をもたらしますが、この最初の反応にはショックと不信が伴うかもしれません。
CFSあるいはFMの診断は、あなたが、治療薬が全くない、そして一貫して効果的な治療法が全くない慢性疾患にかかっていると言われることを意味します。
よく見られる反応は、忙しい毎日を送り続けることによって診断を無視するか、医師巡りをして特別な治療あるいは食事療法を試すことによって治療法を探すのを含みます。
否認は適応反応であり得ります。
あなたは、異なっているすべてに、そして疾患によってもたらされた不確実さに徐々に慣れていくことが可能です。
否認は、あなたの生活が変わってしまって、そして元に戻らないと言われたあとに、希望を持ち続ける方法です。
しかし、あなたがこの反応から抜け出せなくなるならば、あなたは現実的に自分の置かれた状況に直面することができないでしょう。
特効薬を求めて繰り返された数々の不成功の試みは、無力感と絶望感を強めるかもしれません。
症状についていくらかのコントロールを得ることと、ペーシングとストレス軽減のような自主管理戦略を使うことは、無力感をコントロールの経験で置き換えることができます。