・出展:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
http://kokumin-kaigi.org/
・鳥もいない、虫もいない。
ネオニコチノイド問題シンポジウムから
バタフライ・ウォッチング協会 市田 則孝EUでは、大論争の末、2年間とはいえ使用禁止になった新農薬ネオニコチノイドだが、日本ではなかなか議論に火が付かない。
そんな状況に一石を投じようと5月18日、東京・池袋の立教大学で新農薬ネオニコチノイドの実態と無農薬への取り組みについてのシンポジウムを行った。
人間の脳の発達にあたえる農薬の影響を研究する黒田洋一郎先生の強いお勧めによるものであった。
バタフライ・ウォッチング協会と民間稲作研究所、日本野鳥の会千葉県、ラムサール・ネットワーク日本と立教大学が主催した。
参加者がどのくらいあるだろうという心配をよそに、会場となった立教大学9号館の会議室には250名を超える参加者を迎え、熱のこもった発表が続いたのであった。
ネオニコチノイド問題で、研究者、環境団体、農業者、消費者と関係する団体が一堂に会したのも初めてのことだろう。
新緑の野山には、毎年、日本で子育てをするアカショウビン、サンコウチョウなどの鳥が越冬地の東南アジアから渡ってくる。
夏鳥と呼ばれるこの鳥たちの大合唱は、日本の野山に響き渡っていた。
その鳥たちに急激な減少が見られたのは1980年代のことである。
内田博氏たちの調査によれば、埼玉県東松山市の林で111つがいも繁殖していたサンコウチョウが、1994年にはゼロとなった。
森はそれほど変わっているとは思われないのにこの結果である。同様のことが日本中
そしてまた、今度は私たちの身近にたくさん見られるオオヨシキリやコサギなど、いわば極めて普通の鳥たちが姿を消し始めたのである。2000年になってからのことだ。
人々の環境への関心は高まり、乱開発や汚水垂れ流しなどはなくなった最近のことなのだ。
考えられたのは農薬である。
それもネオニコチノイド。この農薬が水に溶けるため、オオヨシキリなど水辺で生活する鳥が激減していることに関係しているのではないかと疑えるのだ。
これがネオニコチノイド問題に関わることになったきっかけであり、今回シンポジウムを開催するに至った理由であった。