その15:2008年11月 オーストラリア NICNAS/OCS 報告書案 | 化学物質過敏症 runのブログ

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6.6 ニュージーランド政府
 MCSに関連する提案は、多くの政府の討議資料に応じて提出された。

この問題はまた、1984年12月のリバービュー店の火災に出動した消防士の有害健康影響の全てを報告した帝国化学物質産業(Imperial Chemicals Industries)の化学物質火災調査の中で提起された。

2002年、MCSはまた、環境大臣によって設置された農業化学物質侵害大臣諮問委員会によって述べられ、農薬リスク削減政策に関する討議資料中に結果が記された(Read, 2002)。

 ニュージーランド事故リハビリテーション補償保険会社への請求は成功したが、その数は不明である。

1998年、事故補償控訴当局は職場と住居で化学物質に暴露した3人に補償を給付した。

化学物質中毒のための他の訴えはMCS病因の証明が不十分であるとして却下された(Read, 2002)。


6.7 デンマーク政府
 デンマーク環境大臣のためのMCSレビューはデンマークにおけるこの病気の状態を概観している(Silberschmidt, 2005)。

 デンマークでは、MCSの代わりに、匂い過敏症及び溶剤不耐症と一般的に呼ばれている。

その状態は本来の病気とは認められず、登録されていない。

レビューによれば、デンマークの医師の中でのMCSの知識レベルは低い。

 MCSに対する包括的なアプローチはデンマーク当局によってとられたことはない。そのようなアプローチを取るためには、デンマークにおける化学物質の使用と暴露、健康への影響、及びMCSの程度に関するさらなる研究が必要である。

 デンマークMCS団体は環境中の匂い(scents)の削減に関してデンマーク環境保護庁にアプローチしている。


6.8 国際化学物質安全性計画(WHO/ILO/UNEP)
 1980年に設立された国際化学物質安全性計画(IPCS)は、3つの共同組織である国連環境計画(UNEP)、国際労働機関(ILO)、世界保健機関(WHO)が化学物質の安全性に関連する活動を実施している共同プログラムである。

WHOは、IPCSの執行機関であり、その主な役割は、化学物質の安全な使用の科学的な根拠を確立し、化学物質の安全のための国家の能力と力量を強化することである。

 1996年2月、いくつかのドイツの連邦政府健康及び環境機関の協力の下にIPCSによって主催されたワークショップが多種化学物質過敏症を討議するためにベルリンで開催された。

招待された参加者は、MCS及びその他の環境病の研究、調査、治療に関わる広範な領域を代表していた。

招待された参加者の大部分はMCSを表現するために”突発性環境不耐症(idiopathic environmental intolerances" (IEI))”が使用されるべきであると示唆したが、その理由は、その健康状態の病因が不明確であり、化学物質への暴露と症状が証明されていないからということである。他の結論は次のようなことである。


IEIは臨床的に定義された疾病とは認められない。
臨床的評価は特定の治療を要求する疾患を除外するよう設計されるべきである。
この疾患を診断するための特定のテストはない。
効果的な治療は管理された臨床試験で確認されていない。
助けになるケアと理解に基づくケアへのアプローチが必要である。
領域間アプローチが診断と治療のために探し求められるべきである。
 ワークショップの勧告は、毒性起源と心因性起源を区別するための二重盲検法(DBPC)調査、及び関連症状の有病率及び人口統計と時間傾向などとの相関や慢性疲労症候群(CFS)とシックビルディング症候群のような他の疾病の症状との同時存在に向けられた疫学的研究を含む(IPCS, 1996) 。


runより:デンマークは化学物質過敏症否定が最も強いとされている国です、文献の酷さには呆れたほど( ̄□ ̄;)

2008年ではこんな感じでしたが現在はどうなんでしょうね?

もっとも既に日本では疾患と認められているので海外の事まで考えている暇は無いんですけどね(^▽^;)