お願い! 学校に強い香りを持ち込まないで。 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html

http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/tsuushin/pico_master.html
お願い! 学校に強い香りを持ち込まないで
文科省に啓発要望香料自粛を求める会 

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 10月4日に、化学物質問題市民研究会と日消連関西グループ、反農薬東京グループ、当会の4団体で、学校等における香料自粛に関する要望書を文科省へ提出しました。


■香りの強い柔軟剤と健康被害の増加

 近年、特に香りの強い柔軟剤の発売以後、洗剤や洗濯・乾燥時用着香剤、衣類用芳香消臭スプレー、シャンプー、リンスなど香りの強い着香製品が増加し、日常的に香料に曝されるようになってしまいました。

 健康被害を受ける人も増加、消費者庁・国民生活センター事故情報データバンク(http://www.jikojoho.go.jp/ai_national/ )でも、「柔軟剤」や「芳香剤」等による健康被害の訴えが数多く報告されています。

6月の環境省クールビズ芳香製品推奨撤回の報道後、柔軟剤による体調不良や健康被害に関する新聞報道も続きました。

 9月19日には国民生活センターが報道発表で、「柔軟仕上げ剤」に関する危害相談件数の急増を報告、消費者に注意喚起し、業界にも「商品の注意表示や啓発活動など周囲への配慮を促す取り組み」を求めました。

 センターの商品テストでは洗濯物を干した室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)を分析、いくつかの成分は香料原料や香料の溶剤として使われる化学物質と推定され、総揮発性有機化合物(TVOC)の室内濃度上昇分は、強い芳香の製品が、柔軟剤不使用の場合や微香の製品より3.5倍から7倍も高く、最も濃度が上昇した製品では、一定の換気率で干してから1時間後の上昇分が140μg/ m3と厚労省の定める室内濃度暫定目標値400μg/m3の3分の1を超えていました。


■教室で授業を受けられない、登校できない

 当会が香料への暴露体験事例を募集したところ、約3週間で47もの事例が集まりました。

学校でのさまざまな香料暴露に苦しむ子どもたちの声がありました。

 小学生の頃から洗剤や色々な香料入り製品の匂いに敏感で、頭痛、眠気、身体がだるくなり、先生の化粧品やリンス、衣服の洗剤等の香料も頭が痛くなるという子や、周りの人の服の柔軟剤等の香りで気分が悪く、体がだるくなり、頭痛、不眠、頻尿などの症状に苦しみ、次々と頭痛を起こす物が増えていったという子がいます。

2人とも中学進学後、同級生が部活の朝練習後に使用する制汗剤や全身ローションの香りに頭痛がする、頭痛や気分が悪くなる日が増えたと訴えています。

 ある高校生は、クーラー使用のため窓が閉め切られるようになると、頭痛、倦怠感、リンパ腺の腫れなどの症状が顕著になり、教室にいられる時間が少なくなって、大学進学を考えて勉強したいと進んだ高校で、授業が思うように受けられなくなりました。

 別の十代の青年は、小学4年で化学物質過敏症と診断を受けて以来、登校をあきらめ、自宅での自学自習を続けていますが、近くの小学校での行事参加者の香料入り製品で体調不良になり、強い眠気、倦怠感、食欲不振、鼻血、自律神経失調症、平衡感覚異常等に一週間くらい悩まされるといいます。


■新聞報道でも-香料暴露で重症化も

 岩手県のシックスクール事故で発症、重症化したある生徒は、頭痛や疲労感、息苦しさで一日の最後の授業まで受けることが難しく、中学校では、制汗剤に暴露して強い頭痛や吐き気に苦しむ、冬期に暖房が稼働されると洗剤や柔軟剤の化学物質が揮発するようになって登校できなくなるそうです。

 香料暴露で重症化した深刻な事例もあります。

教師の整髪料や生徒の制汗剤、机にかけられた香水、来校した卒業生の香水など、香料や香水に繰り返し暴露し、寝たきりになるほど重症化してしまった加古川市の中学生は、喘息症状の出現など徐々に悪化の経過をたどっていますが、学校は適切な対応で生徒を保護することができませんでした。


■香料は業界自主基準のみで安全か?

 香料は、10種から数百種もの物質を混合、溶剤も添加されて作られています。香料にはアレルゲンとなる物質が多く皮膚炎や喘息を誘発し、また偏頭痛を誘発する他、神経毒性や内分泌かく乱作用、変異原性、発がん性、発がん促進作用や異物排出能力阻害作用などを有するものがあります。

 シャンプー等製品含有量は0.1~1%程度でもアレルギー性接触皮膚炎を頻繁に起こす香料や天然香料でも陽性率の高い香料があるのに、日本では、製品表示は「香料」と一括表示で成分を明示しなくてもよく、安全性は業界の自主基準のみで、明確な規制がありません。

また、香料は、空気中のガス状や浮遊微粒子状のアレルゲンとなる可能性もあり、気散した成分は呼吸でも体内に取り込まれるのに、成分の吸入毒性についてほとんど検討されていません。


■EUの規制と海外の香料自粛の取り組み

 EU(欧州連合)では「化粧品規則」により、香料について26種をアレルギー物質として、製品ラベルへの表示を義務化しています。

欧州委員会消費者安全科学委員会は意見書でさらに101の物質の表示義務化や12物質の配合率を0.01%以下とすること等を提言しています。

 また、米国でも着香製品による健康被害が深刻化、各地で自治体職員や職場の香料禁止や自粛の方針に取り組む自治体が増えてきました。カナダのノバスコシア州では、州都ハリファックス地域都市が無香料の啓発プログラムを実施、香料不使用の方針を市の職場から公共スペースに拡大して、学校や図書館、バスでの着香製品の自粛を推進、この取り組みは州にも拡がっています。


■今苦しんでいる子ども達の救済と予防を

 学校での香料暴露に苦しむ子どもたちがいます。

喘息やアレルギーの子どもたちも増えています。子どもは化学物質への感受性が高く、香料の健康影響の懸念はすべての子どもたちの健康にかかわる問題です。

 国は野放しになって氾濫している香料の規制に取り組むべきですが、すぐには実現しません。周囲への配慮を促す啓発も必要で、文科省には学校等における香料自粛の取り組みを進めていただきたいと思います。


-学校等における香料自粛に関する要望-

 (略)学校等においても、香料によって引き起こされる様々な症状に苦しむ児童生徒等や保護者の多くが、問題の解決に多大な困難を感じています。

憲法第25条1項の「生存権」や、憲法第13条に規定される「幸福追求権」、教育基本法第4条「教育を受ける権利」が侵害されてしまう深刻な事例もあります。

 どうか、安全で健康を脅かされることなく、能力の発達に応じた教育を受けられるはずの学校で、香料に暴露して健康を害され、望む教育が受けられなくなってしまうような現状をこのまま放置しないでください。(略)

1.以下の内容について、各自治体の教育委員会にご指導ください。その際、基準またはポスター案などの参考を例示してください。

(1)学校等で働く教員や職員等学校関係者、また児童生徒等および保護者に、強い香りの着香製品の使用を自粛するように呼びかけてください。

その際、アレルギーや喘息の児童生徒が増えていることや、学校は強い香りの香粧品をつけてくるような場所ではないことなども伝えて、特に化学物質過敏症やアレルギーなど配慮が必要な児童生徒が在籍している場合は、当該児童生徒への配慮だけを強調するのではなく、いじめなどの2次的被害が生じないようにしてください。

(2)添付資料のポスター要望案(生徒向けおよび保護者向け)をもとに「香料自粛のお願い」のポスターを作成し、学校等の校舎内、玄関、行事案内立て看板等に掲示して関係者に啓発をはかるとともに、年度初めに保護者向けポスターの内容をチラシ(ポスター縮小版)として配布してください。また、行事の案内文書に来校(園)時の注意事項として香料自粛の配慮を求める文を記載してください。

(3)児童生徒等に、現実に香料暴露による被害者がいることや、香料暴露によるさまざまな健康被害の可能性についても啓発してください。

(4)学校等や都道府県および市町村教育委員会のホームページを通じて、学校等における香料自粛について啓発してください。

(5)学校等では、芳香剤や、清掃業務において香料を含む製品を使用しないでください。

(6)教室内に香料臭が充満することがないよう、普段から空気質に配慮し、冷暖房の使用中も換気に留意するなど、毎日の換気を徹底してください。また、児童生徒等にも、保健だより等で換気をしない場合の室内空気汚染のリスクや換気の必要性等の情報を伝えて、季節を問わず換気の励行を呼びかけてください。

(7)入学試験や部活動の大会等においても、関係者や参加者に、強い香りの着香製品等の使用を自粛するように参加案内文書等で呼びかけてください。


2.参考資料「健康的な学習環境の維持管理のために」を各学校等に改めて周知徹底してください。また、参考資料を改訂し、建材や家具、備品だけでなく、個人使用の香料の問題性や健康影響について明記してください。


3.学校等における香料暴露と健康被害の問題について、保護者、児童、教職員へのアンケート、聞き取り調査を行ってください。

以上


runより:回答が待ち遠しいですね。