線維筋痛症診療の現状2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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病態に基づく病型分類

線維筋痛症の診断にあたって「痛み」の捉え方は診断にとって最も重要であるまず、線維筋痛症の診断として代表的なものはアメリカリウマチ学会(ACR) が1990年に作成した身体躯幹部位を中心とする18箇所の圧痛点が広く用いられている。
筆者の自験例では典型的な線維筋痛症では大腿四頭筋の外側筋膜や膝関節の内側副じん帯附着部にも激しい疼痛があり、圧痛点として認められることが多い。

2010年、ACRから新たな線維筋痛症の予備診断基準が発表された。

この新しい診断基準では従来の圧痛点は除外され、過去1週間の広範囲疼痛指数 (Wide-spread Pain Index: WPI)の合計ポイントと3つの症候の重症度のレベルと一般的な身体症候のポイントを合計した症候重症度(Symptom Severity: SS) のポイントが核となる。

さらに、2010年の米国リウマチ学会において、WPI と SS ポイントの合計 13ポイントをカットオフポイントとしている。

この WPI、SSはともに判定は患者からの自己申告に起因するところが多く、また、SS の一般的な身体症候についての判定に具体的なポイント範囲が設定されていないため診断への寄不率は低い。

しかしながら、これまで副症状とされていた項目のほとんどが網羅されているので、診断の感度が上昇すると思われるが、 本診断基準はWPIとSS ポイントを加算すると疾患活動性の定量的な評価ができ得る可能性もあり、リウマチ科、内科、精神科をはじめとする各分野から本診断基準の妥当性について今後検証していく必要性があると思われる。
このように線維筋痛症の疼痛は出現部位やその程度は患者によって異なり、極めて多様性に富み、全人的に患者をケアしていくことが大切である。

ケアネットワークの構築と医療体制

診療体制のあり方を含めたケアネットワークの構築が研究の課題である。

現状では全国で専門医療機関147施設が゛日本線維筋痛症学会に登録されているが、未だに1つもない県が7県存在する(平成24年2月現在)。
また、ネットワークに登録している医療機関でも、メンタル系の医師の協力がなかなか得られないのが現状である。

平成21年度厚生労働省研究班報告書において武田雅俊教授(大阪大学医学部精神科)らは線維筋痛症に対して早期からの精神科医の介入を推進している。

すなわち、本症は全身慢性疼痛疾患であり、全身に激しい痛みが起こる病気であり、うつ病や不安障害などの精神疾患の合併率が高いことが知られている事から、本症の発症要因の解明及び治療方法の確立には、精神疾患の合併や精神症状の評価が鍵となると考えられるからである。

基本的には、鑑別診断にはリウマチ科医と精神科医の早期の段階の介入は優れた効果が期待でき得る。
一方、大人以上に認知度が低い小児の線維筋痛症も不登校、摂食障害などの誘因となり得ることがあり、早期の適切な診断・治療が重要となる。

小児期に特有の見過ごしがちな本症の病態・診断・治療については、横田俊平教授(横浜市立大学医学部小児科)らかが線維筋痛症診療ガイドラインに提唱している。


runより:今日は線維筋痛症の入門編と言った感じです。

化学物質過敏症と併発する可能性があり線維筋痛症から化学物質過敏症になる場合が多いそうです。