その6:慢性疲労症候群(CFS)診断基準(平成25年3月改訂)の解説 | 化学物質過敏症 runのブログ

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表2. CFS診断における補助的検査(客観的疲労評価)

1.身体活動量客観的評価機器から得られる睡眠時間
カットオフ値:448.5分以上を陽性と判定
(2~3Hzの加速度変化を閾値0.01G・rad/secで検知し、0をまたぐ加速度変化回数(ZC値)についてCole式を用いて睡眠・覚醒の判定を実施)

2.身体活動量客観的評価機器から得られる覚醒時平均活動量
カットオフ値:アクティグラフ(AMI社)を使用した場合、ZC値189.7以下を陽性と判定 

3.心拍変動解析による自律神経機能評価(HFパワー値)
 カットオフ値: 
  20歳代 365.9以下
  30歳代 349.3以下
  40歳代 250.0以下
  50歳代 122.7以下
  (心電図のRR間隔、加速度脈波のAA間隔の周波数解析より算出、年代ごとに評価し、上記のカットオフ値以下を陽性と判定)

4.単純計算課題評価 反応時間
カットオフ値:1.217秒以上を陽性と判定
(連続5分間コンピューター画面に表示された2つの数字の足し算を行い、回答に要した平均時間を算出、繰上げ有の結果のみを評価すること)

5.酸化ストレス評価:抗酸化力値(BAP)
カットオフ値:2532.2μmol/L以下を陽性と判定
(BAPテスト試薬(㈱ウイスマー)を用いて生化学自動分析装置により血液中の抗酸化力値(BAP:Biological Antioxidant Potential)を測定)

 客観的疲労評価によるCFSのレベル診断
 上記5つの検査項目の該当数により、レベル0~4の評価を実施する
(レベル0:全く該当項目が確認できないCFS、レベル1:1項目が確認できたCFS、レベル2:2項目が確認できたCFS、レベル3:3項目が確認できたCFS、レベル4:4項目以上が確認できたCFS)


○検査全般に関する注意事項○
*検査は基本午前中に実施する
*検査前日の夕食後から絶飲食として早朝空腹時に検査を行うことが望ましいが、 少なくとも検査4時間前よりは絶飲食とする(ただし、常備薬内服と飲水はOK)
*検査時には最終食事時間、採血実施時間を記録する
*全ての検査を実施する場合、自律神経機能、単純計算課題、採血、身体活動量客観的評価機器の装着の順番とする
*身体活動量客観的評価機器は睡眠時も含めて終日装着し(入浴時は除く)、睡眠時間と覚醒時平均活動量は、最低3日間の測定を行った結果を使用する
*身体活動量客観的評価はアクティグラフ(AMI社)以外の機器を用いても構わない
その場合、健常者とCFS患者を少なくとも30名ずつ比較し、研究班結果と同等の感度・特異度が得られるカットオフ値を設定して使用する
*心拍変動解析による自律神経機能評価は、最低5分間の安静後に実施する
*単純計算課題は、「できるだけ、速く、正確に答える必要がある」ことを被験者に説明して実施する

表3 CFS患者 60名と健常者79名における補助的検査レベル評価

 健常者(79名)

 CFS(60名)

 レベル0個以上

79名(100.0%)

60名(100.0%)

 レベル1個以上
67名(84.8%)

60名(100.0%)

 レベル2個以上

41名(51.9%)

55名(91.7%)

 レベル3個以上

14名(17.7%)

37名(61.7%)

 レベル4個以上

0名 (0.0%)

25名(41.7%)