・出典:関西ペイントHP
http://www.kansai.co.jp/products/heavy_duty/khd/tech/tech_032.html
ポリウレタン樹脂塗料の使用上の注意 技術資料032
1.まえがき
二液形ポリウレタン樹脂塗料(ベースとイソシアネート基を含む硬化剤とをセットにした常温乾燥形塗料)は常温硬化でありながら、熱硬化形と同様な強靭で対侯性に優れた塗膜を得ることができるために、現在では、自動車、車両、建築、建造、木工などに広く使われています。
この二液形ポリウレタン樹脂塗料は硬化剤にイソシアネート化合物を使用しています。
イソシアネート化合物は反応性が強く、粘膜や皮膚に触れるとかぶれを起こしたり、気化した蒸気や硬化剤に配合した塗料を噴霧状態で収入すると中毒症状を起こすことがあります。
したがって、二液型ポリウレタン樹脂塗料の使用に際しては、安全衛生上常に十分な防護措置を講じる必要があります。
2.イソシアネートについて
対象製品の硬化剤は、イソシアネートを重合させてポリマーにしたもので、不揮発性で毒性の高いものではありません。
しかし、この中には通常、微量(0.5%以内)の未反応のイソシアネートを含み、これが揮発性があり、強い毒性を持っています。
■2-1塗装すると、この未反応イソシアネートが揮散し、特有の悪臭を発します。
そして長時間この蒸発に接すると次のような中毒症状を呈します。
軽症の場合・・・不快感・頭痛
中症の場合・・・喉頭炎と同様な症状
重症の場合・・・ぜんそく状の気管ケイレンをともなう発作
したがって蒸気やスプレーミストを吸い込まないことと、作業の換気をよくする必要があります。
塗装方法もミストが飛ぶスプレー塗装よりもはけ塗りやローラー塗りを優先します。
■2-2イソシアネートを含む塗料が皮膚や粘膜に触れると、充血したり、はれたりする炎症を起こすことがあります。人によってはカブレを起こすこともあります。
したがって、塗装作業中は塗料が直接皮膚や粘膜(目や鼻など)に接触しないようにし、付着したら直ちに洗い流すことが必要です。
■2-3イソシアネートによって一度炎症にかかったりすると、身体がイソシアネートに対して敏感になり、イソシアネートに触れるとすぐに再発するようになることが知られています。
したがって、後に述べるように、保護具の着用を厳守し、中毒や炎症にかからないようにすることが大切です。
気管支炎にかかりやすいなど、呼吸器系が敏感な人や、既往症のある人、皮膚カブレを起こしやすい人、アレルギー体質の人は、はじめから塗装作業などに従事させないようにすべきです。