奪われし未来のコルボーン氏より、オバマ大統領夫妻への手紙:3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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 もしも“子宮”という私たちの内なる小宇宙に、これら化学物質がどう影響するかについての研究を、もっと早く開始する必要があったとするならば、それは、こうした私たちをとりまく宇宙の探索が始まった時だったのかもしれません。

しかし当時、誰一人として、そのようなことを考えませんでした。
 その結果、今日では地球上に人間が作り出した合成化学物質が溢れています。

私たちの社会やグローバル経済はそれら合成化学物質に完全に依存しています。

子宮内での繊細な内分泌機能の正常な働きによってこそ、健康な子どもがたったひとつの細胞から作られるのに、人工的合成化学物質はその発達に干渉し影響するのです。
 たしかに2011年までに、非常に数は少ないですが約10万の新しい化学物質について試験がなされました。

しかしそれは、明らかな先天異常やガンなどの直接的な被害を及ぼす可能性がある高濃度の職業ばく露レベルによる試験でした。

政府はリスク評価やコスト・ベネフィット分析をして、ガンになる確率を計算し、安全かどうかを検討しました。

しかし今日の赤ん坊が、ひとつまたはそれ以上の内分泌疾患に悩まされる確率は、悪性のガンになる確率よりはるかに大きいのです。
 これは古い化学物質の安全基準が、主にガンに注目してきたことによります。

このような基準が、連邦政府の健康に関する規制の在り方と深く結びついているために、化学企業が危険な化学物質を量産して製品をつくり、私たちが食べる食品のなかに入れ、私たちが吸う空気の中に排出し続けることが許されているのです。
 子宮内の胎児の異常を検出できる試験方法を一度も実施されていない化学物質が広く使用されています。

子宮内の胎児の異常は時として、思春期になって初めて現れるような疾患や肥満、不妊、痴呆、パーキンソン病やアルツハイマー病など、人生の後半部分で現れる疾患と関連します。私たちの法律がこのような事態を引き起こしているのです。
 私たちは1980年代にこの問題にしっかり対処すべきでした。

この当時、五大湖の生態系の食物連鎖の最上位にいる野生生物がPCBなどによって危険に曝されていることがわかっていたのです。でも忘れてはいけません。

PCBは1930年代の米国の田園に電気の普及を可能にしたのです。

PCBは、石油や天然ガスの毒性の強い副産物であるベンゼンと、反応性が高いガスである塩素から合成され、環境に長く残留するものでした。

これらの化学物質は、絶縁性をもち難燃剤として使用され、食物連鎖の過程で10倍から250倍、食物連鎖の上位になるともっと高い濃度で生物濃縮されました。