・価値評価
Value Assessment
8.37 農薬が登録されるために、登録者は農薬が人間や環境の健康に受容ができないリスクを与えないことを証明するだけでなく、農薬が価値を持っていることを証明しなければならない。
農薬の価値又は有用性は、論議をよぶ話題であり得る。
農薬が肯定的貢献をすることができると信じる人々にとって、農薬の価値は有害生物問題を管理することへの貢献にある。
農薬使用は経済及び健康・環境への利益を直接間接に持つことがある。
8.38 環境への利益は、雑草侵入による作物収穫量減少の軽減、又は木材置き場でカビによる材木の損失減少で測ることができる。
健康への利益はゴキブリを殺すことや、カーペットの寿命の間に菌増殖を防ぐためにカーペットに殺菌剤を使うこと、水泳プールで水を消毒するために塩素を使うような状況から生まれることがある。
農薬使用の環境への利益の例には、水処理施設で水をきれいにするために塩素使用143、
カナダの森林を荒廃させるかもしれない外国の昆虫が入ることを阻止するための燻蒸剤使用、都市森林破壊を防ぐための殺虫剤使用が含まれる。
8.39 全てではないにしてもほとんどの農薬使用について、リスクは利益をはるかに凌駕すると信じる証言人がいる。144
確かに、本委員会の前に現れた共同体に基礎を置く全団体は、化粧目的に農薬を使うことの潜在的リスクはあらゆる利益を凌駕すると信じている。本委員会は、農薬の化粧的使用から生じるリスクは利益をはるかに凌駕し、これらの使用は無価値と見なされるべきであることに同意する。
更に、本委員会は、価値のない農薬は登録されるべきでないことに同意する。
8.40 一方、一部の証言人は、農薬は肯定的影響を持つことがあるが、これらの利益は費用の点で考察しなければならないことに同意した。
このことは金銭的費用のみでなく、人間の健康や他の生物・環境に対する否定的影響に関連する費用も含む。
これらの費用を測る標準的方法がほとんどないので、これらの費用は評価困難である。
PMRAの価値評価に3つの主な要素がある:有効性・経済・持続可能性。145
有効性と持続可能性のみを本報告で取り扱う。