・9.2 住宅地等における農薬使用について
(平成19 年1月31 日付け18 消安第11607 号環水大土発第070131001
号農林水産省消費・安全局長、環境省水・大気環境局長連名通知)
都道府県知事・政令指定都市市長 殿
農薬は、適正に使用されない場合、人畜及び周辺の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがある。
特に、学校、保育所、病院、公園等の公共施設内の植物、街路樹並びに住宅地に近接する農地(市民農園や家庭菜園を含む。)及び森林等(以下「住宅地等」という。)において農薬を使用するときは、農薬の飛散を原因とする住民、子ども等の健康被害が生じないよう、飛散防止対策の一層の徹底を図ることが必要である。
このため、農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令(平成15 年農林水産省・環境省令第5号)第6条において、「住宅の用に供する土地及びこれに近接する土地において農薬を使用するときは、農薬が飛散することを防止するために必要な措置を講じるよう努めなければならない」旨規定するとともに、「住宅地等における農薬使用について」(平成15 年9月16 日付け15 消安第1714 号農林水産省消費・安全局長通知)において、住宅地等で農薬を使用する者が遵守すべき事項を示し、関係者への指導をお願いしてきたところである。
しかしながら、平成17 年度に「農薬飛散リスク評価手法等確立調査」の一環として環境省が実施した「自治体における街路樹、公園緑地等での防除実態調査」によると、多くの自治体で適切な方法での使用がなされているものの、一部の自治体において、病害虫の発生状況に関わらず定期的に農薬を散布している、散布の対象範囲を最小限の区域に留めていない、これまでに知見のない農薬の組合せで現地混用を行っている等の不適正な事例も依然みられる状況にある。
このような状況を踏まえ、農薬の適正使用を推進し、人畜への被害防止や生活環境の保全を図るため、農薬の散布を行う土地・施設等の管理者(市民農園の開設者を含む。)、殺虫、殺菌、除草等の病害虫防除の責任者、農薬使用委託者、農薬使用者等(以下「農薬使用者等」という。)に対して下記1及び2の事項を遵守するよう指導すること、貴自治体において下記3、4及び5の事項の実施に努めるとともに貴自治体内の施設管理部局、農林部局、環境部局等の間で緊密な情報交換を行うこと等により連携の強化を図ることにつき、貴職の協力を要請する。
なお、本通知の発出に伴い、「住宅地等における農薬使用について」(平成15 年9月16 日付け 消安第1714 号)は廃止する。
また、環境省では、現在、農薬飛散リスク評価手法等確立調査に係る検討会を開催して、学校、保育所、病院、公園等の公共施設、街路樹及び住宅地に近接する森林等(以下「公園等」という。)の管理者向けの病害虫・雑草管理マニュアルの策定に取り組んでおり、その検討資料は環境省のホームページで公開しているところである。
また、農林水産省のホームページでは人の健康に対するリスクと環境への負荷の軽減に配慮した病害虫・雑草管理を推進するため、都道府県等の防除関係者や農業者向けの「総合的病害虫・雑草管理(IPM)実践指針」を公開している。
これらの資料についても適宜活用されたい。