・図2 国内で採取したハウスダスト(n=33)中のダイオキシン類縁化合物の存在割合(中央値ベース)
ハウスダスト中のダイオキシン類縁化合物の構成内訳を調べたところ、ダイオキシン類(PCDD/Fs、Co-PCBs)の他、PCBs、ポリ塩素化ナフタレン(PCNs)、臭素化ダイオキシン類といったダイオキシン類縁化合物が含まれていることが分かりました。
総濃度に対する寄与率を、各物質の濃度と細胞応答性(すなわち毒性の強さの目安)をもとに算出すると、ダイオキシン類よりも臭素化ダイオキシン類(臭素化ジベンゾフラン:PBDFs)で高いことが明らかとなりました(図2)。
一連の研究成果によって、臭素化ダイオキシン類が臭素系難燃剤と同様にハウスダスト中で検出され、さらにリスク(毒性〔ここでは細胞応答性〕×曝露量)ベースでみて規制管理されているダイオキシン類よりも重要度が高い物質であることを明らかにしました。
規制管理をサポートするために
私たち 研究者が今後なすべきこと としては、これまでと同様に臭素化ダイオキシン類の挙動や、人や環境への曝露の実体調査を継続して行い、規制管理を着実に実施するための基礎データを得ることが第一に挙げられます。
第二に、現状の測定法の妥当性を確認する研究(「はかることを評価する」参照)や、新しい測定法の開発とその妥当性評価に関わることも重要課題といえます。
図2では、ダイオキシン類縁化合物の中での臭素化ダイオキシン類(PBDFs)の重要性が示されていますが、物質を特定できなかったものの存在割合も大きいことが分かります。
ここには、現在実施されている分析方法で測定できない臭素化ダイオキシン類が一定程度関連すると想定しています。
まさに、新しい測定法の開発が求められている状況と言えます。
今後も、これらを意識して、臭素化ダイオキシン類の規制管理 をサポートするための調査研究を継続していきたいと考えています。
runより:ハウスダストも怖いですね。