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物質名 4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
日本語名 4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート
1,1'-メチレンビス(4-イソシアナートベンゼン)
1,1'-メチレンビス4-イソシアナートベンゼン
4,4'-ビアセトアニリド
4,4'-メチレンジフェニレンイソシアネート
MDI
エムデーアイ
ジフェニルメタンジイソシアナート
メチレンジ(4-フェニルイソシアナ-ト)
メチレンジ4-フェニルイソシアナ-ト
メチレンビス(4-フェニルイソシアネ-ト)
メチレンビス4-フェニルイソシアネ-ト
メチレンビス(4-フェニレンイソシアネ-ト)
メチレンビス4-フェニレンイソシアネ-ト
英語名 4,4'-DIPHENYLMETHANEDIISOCYANATE
4,4'-METHYLENEDIPHENYLENEISOCYANATE
MDI
METHYLENEBIS(4-PHENYLENEISOCYANATE)
METHYLENEBIS(4-PHENYLISOCYANATE)
1,1'-METHYLENEBIS(4-ISOCYANATEBENZEN)
示性式
分子式 ((OCN)(C6H4))2CH2
C15H10N2O2
各種コード番号 CAS番号:101-68-8
既存化学物質番号:4-118
骨格 直鎖炭素鎖(飽和) 芳香族(単環)
官能基 アルキル基(飽和) 置換フェニル基 イソシアンイソチオシ
用 途 合成樹脂 接着剤 顔料,塗料 合成繊維
取扱量(トン) 調査年 対象地域 取扱量
1995年 神奈川県 6650.55
1995年 横浜市 153.58
1995年 川崎市 0.05
外観的特徴 外観 結晶または黄色い固体
その他外観的特徴 常温で腐食性は比較的少ない
物理的性状 分子量 250.27
比重 1.19
比重測定温度(℃) 50 ~50
融点(℃) 38.5 ~ 39
燃焼・爆発特性 引火点(℃) 201 ~220
法規制 水質汚濁防止法 要調査項目に係わる物質
労働安全衛生法〔名称等表示〕 名称等を通知すべき有害物
海洋汚染防止法 B類物質等
化学物質管理促進法 第一種指定化学物質
化学物質審査規制法 優先評価化学物質
条例・要綱及び指針 旧神奈川県化学物質環境安全管理指針(参考) 特定管理物質
旧神奈川県先端技術産業立地環境対策指針(毒性係数分類) A類物質(旧)
旧横浜市化学物質適正管理指針 管理物質
神奈川県化学物質の安全性影響度の評価に関する指針 人の健康への影響 A
許容濃度 ACGIH TWA(ppm) 0.005
日本産業衛生学会 許容濃度(mg/m3) 0.05
急性毒性 対象動物種 投与経路 試験時間 毒性数値種類 毒性数値
ラット 経口 LDLo 31.69 g/kg
ラット 経気道 LC50 178 mg/m3
マウス 経口 その他 10.7 g/kg
変異原性 試験種類 実験生物 結果
Ames試験(+S9) サルモネラ菌 陽性
毒性症状 吸入で毒性を示すが、経口では毒性は弱い。
MDIの毒性については動物実験報告例も少なく明確でないが、イソシアネート系の物質であるため、トルエンジイソシアネート(TDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)などと同様の毒性を示すと思われる。
イソシアネートのうちでもTDI、NDIは蒸気圧が高く強い毒性を示すが、PureMDIは蒸気圧が低いので前2者と比べ低毒性のようである。
PureMDIによる中毒は、初期は気管支のけいれんが起こって呼吸困難となり(ぜん息発作)、中毒の進行によって肺水腫を招来する。消化器に対する刺激もあり、皮ふおよび目などの組織に対しても同様で、永久障害を残すことがあるから注意を要する。
発ガン性 評価機関 評価内容
IARC発癌性評価 3[発ガン性の評価ができない物質]
管理手法 密封。冷乾燥場所に保管。温度15~30℃で保管。
取り扱い上の注意 炭素鋼はMDI用の容器材料として適している。ガラス,セラミックやポリテトラフルオロエチレン(テフロン樹脂)も耐久性がある。多くの合成物質,ゴム類はイソシアン酸塩の化学作用より,短時間で脆くこわれやすくなる。脆くなったホース類は交換する。高圧用ホースの場合,抵抗性のある合成物質製金属外装のホース使用する。
取扱い保護具 【皮膚】保護手袋、保護衣 【吸入】局所排気または呼吸用保護具 【眼】安全ゴーグル
事故時処理キーワード 水噴霧 防止堤で囲む
事故時処理概要 【危険地域内】機械停止。発火物の除去。裸火の消火。【火災】小火災では粉末消化剤,炭酸ガス,泡。大火災では水噴霧,泡。加熱時は,容器を水噴霧冷却し,危険地域外へ移す。タンク内注水禁止。水が染み込んだ時は,容器の蓋を緩くのせる。【漏洩】危険でなければ,漏洩部を塞ぐ。【流水】取水者に了解を得る。専門家を呼ぶ。沿岸地帯から退去。【停留水】遮断し,専門家を呼ぶ。沿岸から退去。【陸上】土砂で覆い,水で湿らせる。井戸等への流入防止。低域空間を塞ぐ。土砂で覆った物質を密閉型金属容器に入れ,3-10%のアンモニア水(40%までのエタノールか0.5-1.0%のぬれ剤を添加したもの)で無害化する。接近困難な車両は,40%までのエタノール,50-59%水,1-10%のアンモニア溶液で洗浄する。
事故時保護具キーワード 全身防護
事故時保護具概要 火災時は,重装備の呼吸防護器具,全身防護服を着用する。
救急応急処置キーワード 医師を呼ぶ 横臥搬送 呼気吹き込み 水洗浄(身体) 酸素吸入 身体保温 人工呼吸 水洗浄(眼) 全身防護服着用(救助者) 側臥位(意識喪失時) 頭部横向け(嘔吐時) 無菌包帯使用
救急応急処置概要 新鮮な空気の所に移し,安楽にさせ,窮屈な衣服部分を緩める。呼吸停止時,呼気吹き込みか器具による人工呼吸,酸素吸入。ぬれた衣服部分,靴,靴下を脱がせ,それらを廃棄する。
物質と接触した身体部位を継続して水洗浄し,続いて無菌の包帯で包む(熱傷用包帯を使用しない)。
眼と接触したときは,眼を15分間水洗浄する。
まぶたを親指と人さし指で拡げ,眼をあらゆる方向に動かす。
医師を,場合によっては眼科医を災害現場に呼ぶ。保温する。嘔吐の場合,少なくとも頭部を横に向ける。
傷病者は横臥状態でのみ搬送する。意識喪失の危険があるときは,待機・搬送は安定な側臥位で行う。救急活動中も全身防護服を着用する。