9.3 勧告
MCSの存在に関する知見について大きな不確実性があり、もっと知らなくてはならないという必要性はあるが、現在の我々の知識によっても、MCSは現実のものであり、ある人々は低濃度の化学物質への曝露に対しても特に過敏であるということが示されている。
すでにMCSに罹ってしまった人々の多くを治すことは多分不可能である。しかし、もっと多くの人々がMCSになることを回避するために予防的措置をとることができる。
そして、すでにMCSになってしまった人々の日々の生活を改善することができる。
最も重要な全体的な目標は、低濃度及び高濃度での化学物質への曝露のリスクを制限しなくてはならないということである。
とにかくMCSを防ぐためには初期曝露を防ぐことが重要である。
この文脈に関し、高濃度の化学物質への曝露、例えば、ペンキ塗りたての大きな表面積からの溶剤の蒸発、及び密閉空間での例えばヘアースプレーの噴霧などに特別の注意を払うべきである。
化学物質負荷の一般的な削減もまた、新たなMCS発症の防止、及び、すでにMCSに罹ってしまった人々の症状を抑えるために適切な取組みである。
最後に、我々は消費者として、いつ化学物質に曝露した(する)か、そしてそれらはどの化学物質かを知ることが重要である。
消費者として我々は、例えばペンキ塗りたての大きな表面積などからの高濃度の揮発性化学物質への屋内曝露を避けることによって、また、香水や強い香料入り製品を使用しないことによって、我々自身及び他の人々がMCSになることを防ぐことに寄与することができる。
現在、病気の機序、因果関係、そして診断に関する確実な知見が欠如している限り、MCSに対する取組みに注力することは困難である。
MCSへの取り組みのためには次のようなもっと多くの知識が必要である。
罹患率、因果関係、影響機序
揮発性有機化合物を含む化学製品の使用
屋内曝露
化学製品と商品中の揮発性物質の使用
現在の展望、及び衛生の考慮並びに化学物質への不必要な曝露と不必要な化学物質は避けるべきとする一般的観点に基づけば、下記の領域での取り組みを強化することが適切であると考えられる。
化学物質の日々の使用の一般的削減
特に揮発性物質(フェロモン(香水)を含む)及び噴霧剤(エアゾール)の使用の削減
殺虫剤と殺生物剤の使用の削減
化粧品中の添加剤(特に香水)、洗浄剤、表面処理剤の使用、及び、建材及び家具調度品からの揮発を含む屋内環境問題、及び、タバコの煙及び車の排気ガスへの曝露を含む環境状態に目を向けることが特に適切であると考えられる。
日々の化学物質の使用を削減することに一般的に注力することによって、MCSの問題は、子どもや妊婦のような曝露しやすく感受性の高いグループの一般的な保護、そしてそのことによるMCSの新たな発症の防止に寄与することができる。
MCSの一般的な認知は、またMCS患者と彼等の問題に対するより良い理解をもたらし、そのことで彼等の日々の生活を少しでも楽にすることに貢献できることが望ましい。
runより:肯定的な論文に見えるのですが・・・特に医原病なんて概念は大事な所には無いですね。
NATROMは自分に都合が良い箇所だけ抜き出して・・・。
<デンマークEPAの報告書にあるように、専門家がMCSと医原性の関連について述べた発言は複数存在する*8。
これらの専門家が「医師(あるいは専門家)としての信頼を失」なった*9という話は聞かない。
既に述べたように、臨床環境医による化学物質への「警告」が症状を悪化させていると考える証拠がある。
一方、臨床環境医たちが主張するような相互に関係のない多種類の化学物質に反応するようになるという「過敏症の拡大」が本当に生じているという証拠は、私の知る限りでは存在しない。
うつ病患者に対して安易に「頑張れ」などと言ってはならないのと同様な意味において、MCS患者(あるいは潜在的なMCS患者)に対して安易に「相互に関係のない多種類の化学物質に反応するようになる」などと言ってはならないと私は考える。
その真逆のことをしてきたのが臨床環境医たちである。(云々・・・。)>
結果と全然違う方向にしてますね、卑怯極まりない自称内科医である。