・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
神奈川県立保土ヶ谷高校シックスクール事故の顛末記Ⅱ
H.Y.(元保土ヶ谷高校教諭・保土ヶ谷高校シックスクール裁判原告)
2005年4月以降を詳細に記述します。
県立学校施設整備に伴う化学物質対策検討委員会(以下県対策検討委員会)・保護者説明会(300名を越す参加者)・校内対策委員会(職員と保護者と教育財務課)・PTA対策委員会が事故対策を進めました。
それぞれが、全力でがんばったのに、結果としては、事故対策として十全であったとはいえないように考えています。
県対策検討委員会では、健康被害を受け、事故の事実をもっとも理解していた芸術科の職員は発言すら認められませんでした。
県教育委員会の思惑のとおりに、教育委員会の責任も追及されませんでした。
事故の発生メカニズム・安全配慮義務に関する大きな問題の検討、健康被害者に対する具体的な支援も全くできていません。
生徒の健康被害に関しては、個人情報を理由に健康被害生徒名は学校内でも知らされていません。
職員は誰が体調不良なのかを、生徒が卒業した現在でも把握できていません。
公務災害・労務災害に関しても、人権の問題として提訴したいような課題が続いています。
不明確の問題を抱えたまま、改修工事は進められ、改修工事が終了した翌年の2006年5月には、音楽準備室でハンドベルのABS樹脂が溶けるという事態になりました。
生徒や保護者の真剣な苦情は無視されました。
2005年4月25日(月) 1校時、体育館にて全校集会を行い、北棟3階の立入り禁止について説明。
6校時終了後、私が南棟5階の1年6組のホームルーム終了後、西棟5階「部室倉庫」付近を確認したところ、廊下全体に漂っている異常なシンナー臭気に驚いた。
管理職Bにすぐに連絡。多数の生徒が臭気に不快を感じた。
管理職Eは教育財務課に出向き、緊急の対応を依頼。
芸術科より管理職Eに、有機溶剤の名称と健康被害について生徒に連絡するよう要望したが、管理職Eは、この要望を受け入れなかった。
合唱部の顧問が、健康調査をまとめ、2学年に報告した。
4月26日(火) 1校時、体育館にて全校集会を行い、西棟5階の緊急対応について生徒に説明。集会後、南棟5階で授業を受けていた1年生は家庭学習となり帰宅。
4階の2年、3階の3年は平常の授業を行った。午後、有機溶剤の拡散を防ぐため、西棟5階「部室倉庫」、「国際理解準備室」、「男女トイレ」部分を石膏板で閉鎖する工事を行った。工事は保全協会が行った。
管理職Eより保護者に『緊急対応に伴う家庭学習のお知らせ』を配布。
芸術科より管理職Eに、再度、有機溶剤の名称と健康被害の例を生徒に連絡するよう要望したが、この要望を無視した。
私ほか数名の職員は、管理職Eと緊急事態の対策について、4時間交渉した。
runより:ちょっと長い記事になります、シックスクール問題がいかに軽んじられているか分かります。