結果と考察
放散試験開始から3日後に検出されたTVOC及び主なVOCs、カルボニル化合物をまとめた。
室内用消臭剤6製品のTVOC放散速度(注)の平均は58μg/unit/hであるのに対し、室内用消臭・芳香剤16製品の平均は1、400μg/unit/hと20倍以上高い値であった。自動車用製品でも同様の傾向がみられた。
極めて高いTVOC放散速度が観察された試料2試料ではホルムアルデヒドの放散が認められ(5-6μg/unit/h)、 4試料からはアセトアルデヒドの放散が認められた (5-49μg/unit/h)。
それ以外にもアセトン、ベンズアルデヒド等が検出された。
放散速度を基にして室内空間における気中濃度増分予測値を算出した。据置型消臭・芳香剤及び消臭剤の使用に伴うTVOCの気中濃度増分予測値が、暫定目標値400 μg/m3の10%を超えるものが30試料中20試料(67%)存在した。
また、単独でTVOCの暫定目標値を超える予測値が得られたものが2試料存在した。
特に、室内用消臭・芳香剤によるTVOC気中濃度増分予測値は16製品の平均で170 μg/ m3(暫定目標値の40%に相当)であり、据置型消臭・芳香剤の使用が室内空気質に大きな影響を及ぼす可能性を示唆する結果が得られた。
注:放散速度:1時間あたりに、どのくらいのVOCが放散されているのかを計るもの。
室内濃度指針値は濃度なので、放散速度を濃度に換算する必要がある。
(まとめ 安間節子)
runより:貴重な香料に関する情報です、もう少し踏み込んでほしかったけどまだそこまで時代は進んでない様です。