香料に関する二つの研究1-1 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典;化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html

http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/tsuushin/pico_master.html
香料に関する二つの研究を紹介します


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 合成香料の人の健康や生態系への影響についての国内の研究はほとんど見当たらないのですが、その中で比較的最近の二つの研究(概要)を紹介します。


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1.イルカなどの海生動物、そしてヒト脂肪、母乳からも合成香料を検出
日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究/新規有害化学物質「合成香料」によるヒトおよび生態系の汚染とリスク評価に関する研究
2005年度~2007年度
實政 勲 熊本大学・自然科学研究科教授ら

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 近年人工(編集注:合成)香料による水質や魚類等の汚染が報告され、その生物蓄積性や環境リスクが懸念されるようになった。

そこで本研究は、人工香料による生態系およびヒトへの汚染現況とそのリスク評価を解析した。
 はじめめに有明海の海水とそこに生息する様々な栄養段階の海洋生物を採集・分析したところ、ほぼ全ての試料から環状型香料のHHCB注(CAS注:1222-05-5)とAHTN(同:21145-77-7)が検出され、この種の物質による汚染の存在が明らかになった。

とくに、海洋生態系の高次捕食動物である海生哺乳類(イルカ)や鳥類(カモ・カモメ)からHHCBの蓄積が確認され、その生物濃縮係数(海水とイルカの濃度値)は12,000(編集注:比較的高値)を示した。

野生の高次生物から合成香料が検出されたのは世界初のことで、これらの予想を超える生物蓄積性が示された。

また、合成香料による汚染の経年変化を調べるため、過去30年間に日本近海で採集したイルカを分析したところ、HHCB濃度は1980年代半ばから近年にかけて増加しており、香料汚染が現在も進行中であることがわかった。

合成香料は、香水やシャンプー、ハンドクリーム、消臭剤等の日常生活品に多く含まれていることが明らかになり、生活排水が集められる排水処理施設が、環境への放出源である可能性がうかがえた。