・出展:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
http://kokumin-kaigi.org/
・浸透性農薬に関するIUCN東京フォーラム開催
理事橘高真佐美
2012年9月2日、IUCN(国際自然保護連合)
浸透性農薬タスクフォース(以下、「タスクフォース」
といいます)と一般社団法人アクト・ビヨンド・トラストが、「浸透性農薬に関するIUCN東京フォーラム」を開催し、国民会議が参加するネオニコチノイド系農薬の使用中止を求めるNGOネットワークも後援をしました。
タスクフォースの設立の経緯と目的
従来の農薬は、植物の表面に付着するものでしたが、「浸透性農薬」とはその名前のとおり、根から植物全体に浸透し、植物全体が昆虫に対する毒性を持つようになります。
そして、植物そのものだけではなく、溢液(植物内部から葉先に出る水分)や蜜なども有害なものとなります。
浸透性農薬は、雨が降っても流れ落ちることはありません。
イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフランなどのネオニコチノイド系農薬は代表的な浸透性農薬です。
1990年代初めに市場に投入され、2004年頃から世界的に使用されるようになり、現在、世界の農薬市場の約4分の1のシェアを占めています。
ネオニコチノイド系農薬は、標的とする害虫だけではなく、花粉を媒介する益虫やその他の標的ではない昆虫にとっても非常に有害なものです。
世界最大の自然保護団体であるIUCNでは、2011年3月に種の保存委員会と生態系管理委員会の下で、タスクフォースを設置しました。
きっかけとなったのは、ヨーロッパで昆虫が激減しているという調査結果を受けて、その原因を探るために昆虫学者と鳥類学者が会合を開いた際、これまで見られなかった昆虫数の激減が1990年から2000年の間に始まったことを確認し、膨大な数の間接証拠から、その主要な原因が、難分解性・浸透性・神経毒性を併せ持つネオニコチノイド系農薬の使用にあると結論づけ、「『沈黙の春』を繰り返すな」と題するノートルダム・ド・ロンドル宣言を行ったことにあるそうです。