四 和解の内容とその評価
二〇〇四年三月二日、私立K学園との間で「アクセス拒絶型シックスクール」をめぐる和解が成立した。
和解内容は以下の通りである。
(一)在学契約の合意解約に関する条項
(二)被告K学園は、当初、化学物質過敏症の症状に対する理解が不足した対応により、原告に対して不信感を持たせたことにつき、文部科学省が定める学校環境衛生の基準を充たしているとはいえ、残念な事態に至ったことについて、遺憾の意を表する。
(三)被告K学園は、本件訴訟の提起を受け、平成一五年四月中旬に設置したシックスクール対策委員会により、平成一三年一月二九日付け文部科学省通知等をふまえた諸検討及び専門家による研修会の実施を、今後とも引き続き行うこととし、それらを十分に活用して、教職員による生徒の教育及び指導の研鑽に努めるものとする。
(四)被告K学園は、原告に対し、本件和解金として、二〇〇万円の支払い義務のあることを認める。
和解内容中、注目すべきは、学校側がCSに対する理解不足の対応があったことを正面から認め遺憾の意を表した上、見舞金としての性格を越える額の解決金を支払ったこと、および訴訟を契機に学校内に「シックスクール対策委員会」が設置され、和解後も引続き文部科学省通知をふまえた対策に取り組む姿勢が示されたことである。我が国初のシックスクール訴訟において、今後につながる重要な成果を勝ち取ったものと評価している。
五 おわりに
I君は、本年四月から、弟らと共に大阪府立北野高校の定時制に通学している。
同校では、CSの生徒のため通気性のよい「中庭教室」を設置し、気分が悪くなったときは休憩するなど、体調に配慮した柔軟な授業が行われている。兄弟は、学校に行って学べることの喜びを感じて頑張っている。
長いブランクの後、再び歩き始めた彼らを、心から応援すると共に、化学物質によって社会へのアクセスが閉ざされることのないよう、今後も取り組んでいきたい。
本件訴訟は、現在、残る被告大阪市との間で継続中である。
runより:ここまで読んで既に最低な話と感じたと思いますがあと2つ私からオマケしておきます。
まず「やる気が無いなら出て行け」と言われた時はマジックが使えなかったからだと記憶してます。
また「根性の問題だ」として化学物質豊富な理科室に閉じ込めた事があったと記憶してます。
しかも退学、それも理不尽な理由。
無理解とは悪だと痛感させられた事件です、ちなみにこのブログの初期に記事にした事件でもあります。